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栗花晩景
【その他 官能小説】

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秋霖-6

 気持ちが決まったのなら波に乗ったままいったほうがいい。
抱き起こして抱えると私の首にしっかり腕を回してきた。その加減は身を任せた観念の強さを感じる一方、眉間にあらわれた皺は、どうにもならない火がついた体と貞操の狭間に悶えているようにも見える。

 ベッドルームはドアからリビングの明かりが差し込むだけで薄暗い。
うつ伏せになった由美子を見下ろし、ふっと一息ついた。頭の中では現実の感覚が靄のようにぼうっとしている。
 
 私が服を脱ぎ始めると気配を感じたのか、由美子はおもむろに起き上がって背を向けてスカートのホックを外した。続いてシャツの前をはだけ、胸の辺りで手が動いているのは前開きのブラジャーを外しているようであった。
「ふう……」と息が洩れた。
 正座した姿勢のまま動きが止まった。ボタンもホックも外したが、私の前で脱ぎ捨てることにためらっているのだ。肩を抜き、膝立ちになれば全裸になる。

「義姉さん……」
そっと後ろから抱えた体が強張った。昂奮なのか、緊張のためか。指をかけただけで衣服はすべるように落ちた。
「何度も夢の中で抱いたんだ」
「ああ……」
「義姉さん」
 肌は張りがある。小柄ながら年相応の肉付きが悩ましく心地いい。重なって倒れ込み、そのまま長い口づけを交わした。
  
 色白ではない。それが妙な色気を感じる。恵子が白いので新鮮に見える。ややくすんだ色の乳首、乳輪は褐色。乳房も小さくてわずかに揺れるさまがいじらしくもある。
 乳首に吸いつく。
「あうう!」
大きく胸が反る。広げた両手はすぐに私の頭をかかえてむしるほどに髪を掴んだ。
「くうう!」
翻弄のただ中に突入した状況になった。

 脚を開いて股間をぶつけてくるのは無意識なのかもしれない。
(見たい……)
彼女の秘唇が見たかった。
 胸から下腹部へ。唇が繁みに差し掛かった時、
「なにするの、何……」
朦朧としながらも起き上がって私の頭を押し返そうとする。
「義姉さんの全部にキスする」
「だめ、だめよ、そこは」
乱暴に彼女の足を引っ張った。
「キャ!」
後ろに倒れ、下半身が持ち上がったところにすかさず顔を埋めた。
「いやーん!」
身をよじるも太ももをがっしり抱えて股間にぐいと口をつけているのでどうにもならない。

「いやあ!」
(すごい)
一帯がぬめっている。
 暴れる膝を押さえて舌と唇は核をなぶり続けた。由美子が全身を硬直させたのは間もなくのことである。
「落ちるぅ!」
激しい痙攣、跳ねる体、ベッドが軋む。
「ああ!いい!」
ひくひくと微振動が繰り返される。

 間を置かず、膝をすすめて押し当て、滑らかにくぐったところで由美子がふたたび弓なりに反って叫んだ。
「ああ!だめえ!」
のしかかって幹を埋め込んでいく。
「くうう、くう」
「狭い……」
思わず呟いたほど圧迫がある。十分すぎるほど濡れていながら抵抗感がすごい。

 由美子の膝を折って真上から沈んだ。怒張は極限だ。
(由美子!)由美子に入っている!突き刺している!
「ああ!だめ!どうにかなっちゃう!あああ……」
由美子の腰がはねる。膣が絞り込まれる。その狭窄孔を貫く。
「こんなの初めて!こんなの初めて!」
「義姉さん」
「ははう!感じる、あう」
由美子はあらぬことを口走って髪を振り乱してシーツを掻きむしった。
「義姉さん!イク!」
「ああ!また落ちちゃう!落ちるウ!」
凄まじい膣の収縮である。
「うううむ……」
私たちは折り重なってしがみつき、突っ張って震え、熱い迸りを確かめ合った。

 そのままどれくらい抱き合っていただろう。息遣いがおさまり、弛緩した体が汗ばんでいることに気づき、やがて放心状態が続いた。
 深い満足感が心に滲んでいる気がした。
(由美子は?)
顔を見ると顔には汗が光っていた。唇を重ねる。腕に力がこもって彼女のほうから舌を入れてきた。溢れ出る濃厚な唾液は淫液のようにとめどなく、満たされたひとときの答えとなって私にまとわりついてきた。


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