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『正夢』
【青春 恋愛小説】

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正夢〜仲間〜-6

「あぁ゛〜!翔ちゃんだぁ〜!」
男三人で呑んでいると、恵が後ろから抱きついてきた。飲んでいるときに突撃されたので、衝撃で吐き出しそうになる。
「んふふ〜、翔ちゃん、その子はぁ?」
鹿見のことを指差しながら恵は聞いてきた。
「後輩だ、後輩」
「そぉ〜うなんだぁ!よろしくぅ」
「よ、よろしく…」
鹿見が小声で話し掛ける。
「すごいっすね…翔さんの彼女さん…」

「言うな…」

恵が酔っていたお陰で、大して鹿見のことも聞かれずにすんだ。

パーティーもとい、飲み会が終わり、眠る恵を部屋に連れていき、リビングの後片付けをする。
こういうのは大体酒に強いやつの仕事なのだ。

「んじゃあ、俺珊瑚連れてくわ」
眠る珊瑚を背に乗せ、渉は帰っていった。
鹿見と二人で恵の家を出る。
「あの…」
不意に、鹿見が口を開いた。
「ん?」
「今日は、すんませんでした。生意気なこと言っちまって…」
「気にすんな、もう過ぎたことだしな」
「けど…次は負けないっすよ」
「まだやるのかよ…まぁいつでも来い」
「はい!それじゃ…」
背を向けて帰る鹿見を見てもう一度声を掛ける。
「鹿見!来週また遊ぶけど、来るか?」
鹿見は振り返ると
「ハイ!」
そう一言残して帰っていった。

家に帰る途中の公園で、桜の花が咲いていた。痛い思いもしたけど、みんなと教室一緒になって、ちょっと小生意気だけどかわいい後輩が出来て…。
「今日もいい夢見られるかもな…」
夜桜を見ながら俺は一人呟いていた。


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