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デリシャス・フィア
【その他 官能小説】

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-5

 媚薬が効いている今の段階では、優子はまだこの状況に合意を示しているわけである。だからレイプは成立しない。

 『デリシャス・フィア』のほんとうの恐怖はここからはじまるのだ。男は冷たく笑った。

「俺は今、左右それぞれの手に別のアイテムを持っている。どちらか一方を選ばせてやる」

 視界を遮られた状況で選択を迫られる優子。
 ザーメンの味がまだ舌に残っている。

「右……、やっぱり左……」

「いい選択だ。脚を開いて、こっちに見せるんだ」

 男の指示通りに優子の脚がアルファベットのMのかたちに開く。
 愛液が泡立って、恥毛を光らせている。

 大陰唇はこんもりと左右に広がり、その内側に蛇の舌のように割れた小陰唇、真ん中で大げさに濡れる膣口、今にも震え出しそうなクリトリスは赤く腫れている。

 男の左手に、優子の選択したものが握られている。
 異物の気配がミリ単位で近づいてくるのが優子にもわかった。

 もう間もなくだ。魔女の花が咲いて散る、その瞬間がくる。

 そのとき、感情を持たない肌触りが優子の膣口を撫でた。

「きゃ、あ、ああっ……」

 何も考えられない。ただ気持ち良かった。
 その接点だけがとろけてしまいそうなほど熱くなって、ひくひくとうごめいた。

 アナルとヴァギナが同時に収縮して、蜜を生みつづけている。
 異物の先端部分が陰唇の上をすべり、さらにすべり、いつまで経っても中に入ってこようとはしない。

「入れて、おねがい……」

 優子は泣く泣く催促の言葉を漏らした。
 自分の体で許容できるかどうかもわからない。
 それでも入れて欲しかった。

 男のにやつく顔が目に浮かぶような気がした。
 そして異物が侵入をはじめる。

 くる、おおきいものがくる、すごくいい、からだが、ふるえる──。

 膣がぎりぎりにまで広がって、さらに奥を突き抜け、粘膜の行き止まりにまで挿入される。

「はああああ……」

 吐息の温度が唇を撫でていった。
 自分の立場とは裏腹に、体の火照りはますます性欲を突き動かす。

 胃がふくらむのとは違う感覚だった。子宮でもない。
 膣が風船みたいに膨張する錯覚なのだ。

 男が何かをつぶやいたが、優子には聞き取れなかった。


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