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嘘つきは恋の始まり 
【女性向け 官能小説】

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-6


「チコちゃんから連絡をくれるとはね」

会社から2つ目の駅ビルの中に入っているバーを指定され
待つこと30分。

こんなに早く来るとは思わなかった。
私、定時で上がったよね?
経営管理、こんなに早く上がれないでしょ?


「は、早かったね」
「あ〜・・・残りの仕事、持ってきちゃった。
週末に家でやるからいいよ。
チコちゃん待たせて帰られちゃうと思ったら、会社出てた」

うわ・・・
素直だな。

野口さんって私より年上だよね?
桐生さんのほのめかすような大人の会話に慣れている私は
ストレートな野口さんにびっくりした。

「チコちゃん・・・・見えてるけど・・・」

カウンター席で隣に座った野口さんは
小さくため息を漏らして
苦笑いをした。

あ・・・・


日にちが経って油断してた。
今日はノーカラーのブラウスだった。

うっすらと残るキスマークは
近寄らないと分からないほどだったけど
近くで見ればそれだとわかるはず。

「ごめん・・・なさい」
「いいよ。謝らなくても。チコちゃんに彼氏がいることは気がついていたし」
「そうなの?」
「うん。でも、それでも今日俺に電話くれたのはなんで?」

年上のはずなのに・・・
少年みたいな綺麗な笑顔で私のことを覗き込むから。
自分のしていることが
とっても汚いことに思えて。

胸が苦しくなる。





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