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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第16話-11


“隼リーグ”後期・第2戦 法泉印大学 対 仁仙大学
【法泉大】|   |   |   | |
【仁仙大】|   |   |   | |

 先攻:法泉印大学
1番:大 仏(二塁手・2年・背番号 6)
2番:東 尋(左翼手・1年・背番号13)
3番:仙 石(一塁手・3年・背番号25)
4番:梧城寺(捕 手・2年・背番号 2)
5番:能 面(投 手・2年・背番号 4)
6番:磐 城(三塁手・2年・背番号 5)
7番:伏見坂(右翼手・3年・背番号 9)
8番:伊地知(中堅主・2年・背番号10)
9番:独楽送(遊撃手・1年・背番号 7)

 後攻:仁仙大学
1番:迫 田(遊撃手・3年・背番号 8)
2番:水 野(右翼手・2年・背番号20)
3番:六文銭(三塁手・4年・背番号 3)
4番:安 原(一塁手・4年・背番号 6)
5番:二階堂(捕 手・4年・背番号22)
6番:佐 伯(二塁手・3年・背番号 4)
7番:佐々木(中堅手・2年・背番号10)
8番:阿 藤(左翼手・3年・背番号 7)
9番:福 原(投 手・2年・背番号16)

「福原君、頼みましたよ」
「押忍!!」
 いつもは中盤から終盤にかけて、“中継ぎ”に入ることがメインとなっている、“速球派”の福原が先発のマウンドに立っていた。
 “東西交流戦”の先発メンバーにも選ばれた“軟投派”の好投手・関根は、第1試合の途中で肘に違和感を生じさせたため、今日はベンチに下がっている。もともと肘に故障歴もあるので、後期日程の“序盤”である今は、無理をさせられない。
 継投が頼みの綱である仁仙大学は、後期日程の初戦を終えたばかりのところで、主戦投手である関根の“戦線離脱”という、思いがけないディスアドバンテージを抱えていた。
 今日、先発のマウンドに立った福原は、前期の第2戦である双葉大学との試合では、大量点差を得たことで単調になったリズムを突かれて、不甲斐ないピッチングをしてしまったことはある、しかし、それ以降は、“中継ぎ”として、ロング・リリーフを無難にこなしてきた。
 細かいコントロールに関しては、関根に軍配は上がるが、直球の力強さは、福原の武器だ。
(だが、それはあくまで、“リリーフ”として考えた場合のこと)
 ペース配分が何よりも重要となる“先発”として、福原がどんなピッチングをするかが、関根が復帰できるまで、仁仙大学にとっては重要になるところであった。
「プレイボール!」
 主審の言葉を受けて、一塁の守備に突く誠治が見守る中、福原は大きく振りかぶって、第1球目を投じていた。
「ストライク!」
 力のある直球が、ミットの音を高く鳴らした。
(うん。いい音だ)
 まずはそれで、誠治は一安心をした。“リーグ戦・初先発”という気負いはあるだろうが、初球を見る限り、球の走りはまずまずである。
「ストライク!!」
 二球目は、左右のコースこそ真ん中だったが、低めに決まった。福原は力みが入ると、球が上ずる傾向を見せるのだが、上手い具合に自分を抑えているようだ。
「ファウル!」
「ファウル!!」
 その後、二球のファウルをはさんで…
「アウト!」
 大仏は、セカンドゴロに倒れていた。
 外角の、ややボール球になるところに手を出したように見えるが、それが意図的なスイングであることは、2番打者に耳打ちをしている大仏の様子を見る限り明白であった。
「アウト!!」
 2番打者の東尋は、ツーストライクツーボールの並行カウントから、三球のファウルを挟み、今度はショートゴロに終わった。
「………」
 3番の仙石に、やはり耳打ちをしている東尋。軽い頷きを彼に返して、仙石が右打席に入る。

 キィン!

「!」
 鋭いスイングが、外角に投じられた初球を思い切り叩いていた。
「アウト!!!」
 三遊間を痛烈に襲ったその打球は、しかし、反射よく飛びついた六文銭のグラブに収まっていた。安打になってもおかしくない当たりであったから、一瞬緊張が走った野手陣の間に、安堵した空気が漂った。
「よく捕ってくれました、六文銭君」
 結果としては“三者凡退”に終えることができたので、誠治は、胸元を土ぼこりで汚した六文銭をそのように労っていた。
(………)
 その一方で、この回はひとつも“空振り”を奪っていないという事実が、誠治の中には気がかりなものとして残ることになった。
 福原がいい球を投げているのは間違いないが、それが相手に対して“脅威”になっていないことは、3番・仙石の痛烈な打球でよく分かった。


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