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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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イタダキマス-4

 そして、パルの分の布をその槍と岩に引っ掛けて即席テントを作った。
 ちなみに、槍はパルの愛用武器だそうだ。
 これなら太陽が動いてもテント内は影だし、風通しも良い。
 さすが、旅慣れているだけはあり2人の作業には無駄がない。
 テオはそれをボケっと見ているしかなかった。

「テオちゃん、こっち来て」

 リュディに呼ばれ、素直にテント内に入るテオ。
 ちゃん付けに少しムッとしたが、リュディにとっては子供以外の何者でも無いのだろう。

「これを飲んで」

 渡されたカップの中には、なんだかドロドロした濃い緑色の液体が入っている。
 戸惑ってリュディを見つめると、彼女はうん、と気合いの入った感じで頷いた。
 どうやらこれを飲む為には、相当な覚悟が必要なようだ。
 テオはゴクリと生唾を飲んだ後、一気にそれを飲み干す。

「!!!!!!!!」

 全身の毛がビシビシッと逆立ち、毛穴からは冷や汗が吹き出した。
 口の中が痺れて、目からは自然と涙が溢れる。
 それほど強烈な苦味とえぐみと青臭さ。

「〜〜〜〜〜〜っ!!」

 テオは両手を握りしめ、気合いを入れてゴクンと喉を鳴らした。

「……まっず……」

 もらっておいて何だが、素直な感想……のど越しも最悪だ。

「でも、胸のムカムカは消えたでしょ?はい。口直し」

 リュディはそう言ってテオの口に飴玉を放り投げた。

「んむ」

 テオは飴玉を口の中で転がしつつ、身体の方に意識を向ける。
 確かに、リュディが言う通り胸のムカムカや脱水による全身の気だるさが消えていた。
 と言うか、すっきり爽快な気分。

「うん。気分良い!何だこれ?薬草?」

 テオはリュディににじり寄って彼女の手元を覗き込んだ。
 物怖じしないテオにリュディは少し驚いたが、手に持っていた薬草を見せてやる。

「薬草とか魔草のオリジナルブレンド。私は薬剤師だから」

 薬剤師は名前の通り、薬草やら魔草を調合出来る。
 勿論、免許が必要でその試験は物凄く難しいらしい。
 下手したら医者よりも難関だと言われているぐらいだ。

「すっげぇ……売ったら売れるんじゃね?」

「こんな不味い薬は売れない」

 それもそうか、とテオが座り直した時パルもテントに入ってきた。

「ん〜…2号さんの様子がおかしいみたい」

 渋い顔のパルにテオは首を傾げる。


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