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栗花晩景
【その他 官能小説】

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早春編(1)-8

 夕食を済ませると居間でテレビを観て過ごした。人気の歌番組が終わったのは十時である。
「布団敷いてくるから」
古賀が立ち上がったので私も手伝うつもりで従うと、
「俺がやるから、ここで待ってて」
真面目な顔で制した。

 それからしばらく時間が経った。ずいぶんかかるなと思っていると、飛び跳ねるような足音がして薄笑いを浮かべた古賀が顔をみせた。
「どうかした?」
私の問いには答えず、ただ笑いながら手招きをする。
「なに、どうしたの?」
部屋に入るなり古賀は声を上げて笑いだした。何事かと後に続いて驚いた。部屋中にヌード写真が貼り付けてあったのだ。
「なんだよ、これ」
天井にも三枚貼ってある。私もつられて笑ったものの、その圧倒的な景観に言葉が出なかった。
「ふだんはこんなことできないからな」
古賀はそう言うと布団に寝転んだ。
「一度こうやって寝てみたかったんだ」
写真とはいえ、数十枚の女体が並ぶと壮観である。
「すげえ……」
腰を下して改めて見まわす。順番に目を移していくと女体がくねくねと動画のように動く錯覚に陥る。

「あのさ……」
むっくり起き上がった古賀が私の背中をつついた。その目に一瞬何ともいえない異様な色が過った。
「なに?」
古賀は口ごもってから、不自然な笑いを浮かべ、
「体位の格好、してみないか?」
言い終わったあと、笑いは消えていた。
「いくつかやってみようぜ」
「そうだな。やろうやろう」
ヌードの展覧会に昂揚していた私は手を叩いた。馬鹿騒ぎの心境であった。

 古賀はやおら立ち上がるとズボンを脱ぎ、さらにためらいもなくパンツも下し始めた。呆気にとられていると、
「脱いだほうが気分がでるぞ」
飛び出たペニスが跳ね上がった。先端が完全に剥けている。大きさは私と変わらないが、大人の形になっていた。
「俺はいいよ」
さすがに拒むと古賀は深くは拘らず、
「女役になってくれないか?」と言った。
「正常位がいい」
私に仰向けに寝るように指示した。言われるまま布団に寝転んだ。妙な気持ちである。

「脚、開いて」
古賀がにじり寄ってきた。いつの間にかタオルを手にしている。
「これ、したことある?」
「何?」
タオルを広げるとコンニャクが挟んであった。
「感じがでるぞ」
コンニャクの中央に少し切れ目が入れてある。古賀はそこにペニスを差し込み、私に被いかぶさってきた。股に圧迫感がきて小刻みな動きが伝わった。左手で扱いているようだった。
「こんな感じだよな」
目が血走っている。間もなく顔が赤らんだと思ったら唸り声を上げてのしかかってきた。
「うう……」
呻きと同時に体がひくついたことで射精したことがわかった。

 体を起こすとコンニャクは二つに切れていた。多量の精液がコンニャクと掌にべっとりと付き、私のズボンにも飛び散っている。
「ごめん、出ちゃった……」
慌ててタオルで拭き取ろうとするが、まだぽたぽたと垂れてくる。
「いいよ。自分でやるから」
古賀はばつがわるそうに股間を隠しながら部屋を出て行った。精液のむせるような臭いが漂った。

 その日から二人の関係が特に変わったということはない。学校では相変わらずの毎日であった。
 古賀のペニスを思い出し、
「俺、なかなか剥けないんだよな。すぐもどっちゃう」
私が真面目な顔で言うと、
「何回も捲っていればなるさ」
そうして自分の経験を伝授した。
「初めはさ、捲って紙の絆創膏でとめておくんだよ。紙じゃないと取る時痛いから。そして痛くなったらはずして、治まったらまたやるのさ。繰り返してると剥けるよ」
 私はさっそく翌日から実行した。やってみて改めてわかったのは先端部の敏感なことである。ずっと被われていたのだから当然だが、それにしても歩く度にピリピリと感じて、それは気持ちがいい反面痛みにも似た感覚であった。困ったのは強い刺激のために頻繁に勃起の兆候があらわれることで、気にしないようにすればするほど過敏になった。腰を引きながら古賀に言うと腹をかかえて笑った。
「慣れるよ。そのうち慣れるよ」
古賀は止まらない笑いの合間にそう言ってまた噴き出した。いつまで絆創膏を使ったのかは忘れたが、いつの間にか皮は後退していた。


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