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性愛交差点
【その他 官能小説】

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性愛交差点-6

 美希のセックスへののめり込みようは、時に怖いくらいに思うこともある。
肌が変わったと感じている。抜けるような白さの中に色香がねっとりと織り交ぜられて艶やかに見える。それは実際目に見えるということではない。女の芳香を伴って目に沁み込んでくるのである。

 ベッドに美希を組み敷いて濃厚な口づけから乳房に舌を這わせると、美希は大きく体をくねらせてから彼を押しとどめた。
「あたしが……」
言いながら彼と入れ替わって上になる。ここ最近いつもそうだ。
 信彦の舌を強く吸い上げてから、豊かな胸を揺らしながら彼を見下ろした。
「あたし、あの日ねーー」
あの日とは、初めての夜のことだ。
「カラオケでキスしてくれた時、セックスして欲しいって思ったの」
「感じたから?」
「それもあるけど、誰でもいいから経験したかったの」
「誰でもよかったのか」
「だって、あの時、先生のことよく知らなかったし。そういう意味よ。友達はみんな彼氏いるし……」
バージンが重荷になっていたのだと言った。
「チビでデブでブスでしょ?結婚できないかもしれないし」
「そんなことないよ。可愛いよ」
「ありがとう。今は先生のこと、好きよ。愛してる……」
ぐっとペニスを握ってきた。

 信彦は重く鈍い圧迫を感じていた。
『愛してる』……。その言葉を反芻して、何かとても後味が悪い。
 高校の頃から、最初に廻ってきた機会に純潔を捧げようと決めていたという美希。男を知ってからは好奇心とともに急速な成長をみせ、時に信彦もたじろぐこともある。ずっと抱き続けていた妄想の世界を現実に昇華させようと走り続けている感があった。

 フグリをまじまじと観察して、ぶつぶつと独り言を言う。
「むにゅむにゅしてる……お尻まで毛がある……」
そして一帯を舐め回す。信彦はたまらず声を上げる。
「先生、感じる?」
言いながらペニスを咥え、さらに扱く。
「ああ、いい……」
「先生、すてき……」
美希は彼が快感に悶えると自らも熱く高まるようだ。
「ああ、先生、感じちゃう」
歓喜の言葉を口走って陶酔していく。跨った腰を上げ、べっとりと濡れた蜜の中に彼を迎え挿れた。妖艶な瞳が輝く。
「先生が幸せにしてくれたの。先生……」
動きが速まり、美希は一直線に進んで倒れ込んできた。
「ああ!イクゥ!信彦さん!」
「!……」
感情がもつれて心の底を這いずるように蠢いた。

 少し前から感じていた危機感がじっとりと浸透してきた。美希が女として熟していくのを見つめながら、彼女と関わることに惧れを覚えるようになっていたのである。小枝子に発覚するかもしれない不安より、じわじわと迫ってくる美希の『愛』の方が怖かった。
 そんな影のような怖れを抱きながら、美希の肉体には抗い難い魅力があった。吸いつくような肌については言うまでもない。近頃は性器の感触がたまらず溺れている。まるで上質の脂身に包まれて、さらに溶かされていくような感覚がある。妙な技巧がないだけに、感じるままの動きが陰茎に伝わり、いつまでも埋めていたい心地になるのである。そして収縮にかかると今度は膣の全域が舐めるように押し寄せ、筋肉と連動して絞り込んでくる。信彦はどっぷりと快感にはまり、精気を奪われていくのだった。
 だが、この日、美希が彼の名を口走ったことで警戒心が欲望を上回った。
(これ以上深入りするとまずい……)
悪女の深情けという……。
 すぐに別れる決断はつけられないが、少しずつ会う機会を減らしていこうと考えた。思い切ることが出来ない自らの狡猾さを自覚しながら。……


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