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悪のショッカー軍団
【SF 官能小説】

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敵の正体-1

題:敵の正体

勝利して倒れた怪人に集まるが、どうみてもスーツではない。
「この中に人の顔があるとは思えんな」紫は虫の様な顔を足でつついた。
他のヒーローは戦闘員を脱がして拘束するとヒーローカーにおしこんでいる。
茂木大輔は倒れた怪人を見下ろしていると、怪人の体が全身緑の泡に包まれだした。
やがて泡が消えて二メートルあった怪人が百五十センチくらいの少女に変わっていた。
髪はショートで背中や腕、足に筋肉が出ていない細く華奢な体をしてる。
顔は文句なく可愛く、胸も少し膨らみかけている。
年のいったヒーローが片足を上げて股間を見ると、薄い毛が生えていた。
「中学生ぐらいかな?」ヒーロー達はその若さに引いていた。
「これは、さすがに倫理に反するな」茂木大輔は動揺を隠せない。
「とは言え、人間じゃないし責任者だし、喋れるから情報を聞き出す事も出来るぞ」と青
「俺は反しないけどな」黄緑は少し嬉しそうだ。
扱いにこまるが、情報は引き出さなきゃならない。
黄緑が少女を抱えてヒーローカーに乗せた。

これで謎に包まれた悪の総結社の事が分かる。
ヒーロー達は重いからだに鞭打って、ヒーロービルに戻るのだ。
勝利のサイレンをならし赤信号を駆け抜ける。

取調室に、怪人だった美少女と黄緑が入っていく。
長い間押し問答を繰り返しているのか、数時間しても出て来なかった。
最初の内は怪人だった美少女の怒りの声が聞こえてきたが、やがて叫び声にも聞こえる様な音がして、
その後は静かになった。
待っていたヒーロー達は新しい戦闘員も飽きてしまい、それぞれのヒーローは専用部屋に行ってしまった。
捕まえた沢山の戦闘員は全てが高ランクの美女だ。
しかし、美女しかいないと、その中でも上下が出来る。
少し鼻が低いとか、ホクロがあるなどちょっとした事でランクに別れるのだ。
当然、ヒーロー専用は一部の隙もないほど完璧な究極の美女を飼っている。
ヒーロービルには多くの戦闘員を養っているが増える一方ではない、
家族を殺された恨みを持つ人は多く、持って帰って償いをさせたいと希望する人には、
それなりの費用と交換して連れて帰ってもらうのだ。
そのせいか、ヒーロービルにいる掴まった戦闘員は増減して均衡を保っていた。

一日かけて取り調べしてたが、ようやく部屋から黄緑や白や橙が出てきた。
「何か分かったか?」茂木は彼らに聞くと、
「さすがボスだな、何の情報も吐かないよ、午後に続きを決行しようと思う」
腰を叩きながら悔しそうにソファーに座った。
「そうか、ご苦労だったね」
茂木は取調室のドアを開けると、湿度の高く体臭臭い部屋に入った。
怪人だった美少女は、マットの上に倒れて汗で濡れた髪の間から茂木を見ると恐れた表情をする。
茂木はしゃがんで、怪人だった少女の口からボールを外すと、
「ごめんなさい ごめんなさい なんでも話します」少女は震えて泣きながら謝った。
茂木は後ろに立つ黄緑を見ると
「あれ、心変わりか?」と悪たれずに言った。

それから、唯一喋れる敵はべらべら聞いてもいない事すら喋り出す。
連れ去った人々は分子レベルまで分解して再構成される。
再構成された人は、戦闘員として誕生する。
戦闘員は最初は大人の女性と同じ形になり成長しない。
しかし、戦闘員同士が分離合体すると体が縮小しエネルギーが圧縮されて、見た目が若くみえる。
合体を繰り返すことで成長するらしい。
人の成長とは真逆で、見た目が若いのが強いのだ。
だから怪人は強敵の多い幼稚園バスを襲って力を見せつけようと考えたらしい。
20代に見える様になると戦闘服を支給され、司令を与えられる。
更に10代に見えるようになると、怪人に変貌させてエリアを任せられるそうだ。
この怪人は日本支部の大ボスまでしか知らない。
そいつの名前はデスサタンだ
奴の基地は静岡付近である事が分かった。
そこは怪人だらけだと言う。
聞けはいくらでもしゃべるが、結局詳しい事は知らないらしい

「デスサタンとは、名前からして強そうだな」茂木は顎をさする。
「合体繰り返したんなら、中身は相当若いんだろうな」と黄緑と白がつつき合いながら喜ぶが、
茂木には理解できない
「場所が分かったにせよ、今の俺たちだと到底太刀打ち出来ないぞ」と青が悩む
「やはり一歩づつ確実に人間の範囲を広げるしかなさそうだな」
「なるほど、次は東京に出向くつもりだから、東京エリアのボスはどんなやつだ?」
白が、怪人だった美少女の髪の毛をつかんで聞いた
「きゃあ こわいこわいよ〜」
「東京の怪人はどんなやつだと聞いてるんだ」と強く聞くと
「東京はサイの遺伝子を混ぜた奴だよ」
「サイって強いのか?」
「多分、力は私より強いはず」
「こいつより強いのかよ」青ざめる黄色
「弱点はどこだ?」
「え 弱点なんて分からないよ 戦った事無いし」
「なんだとぉ この期に及んで隠すのかよ」白が顔を掴む。
「そんなこと知らない、知らないよぉ」
「全くしょうがねーな、今度は俺たちの部屋で取り調べてやるよ」と橙が手ひく。
「うそ、喋ったよね 全部喋ったよ」
三人のヒーローに引きづられて行く、怪人だった美少女。
「サイの弱点なんて知るわけないでしょ、ヤダ、行きたくない、行きたくないよ〜」
泣き喚く、怪人だった美少女はエレベーターの締り際まで涙を流してこちらを見ていた。
かわいそうだけど、情報は彼女からしか聞けない。
茂木は机の上においてある、怪人の持ってた機械を眺めていた。

「この機械さえ複製できれば戦う術もあるのに」悔しそうに机を叩く。
人類の英知をもっても同じ機械が出来ないどころか、無限に出てくる糸と液の解明すら出来ないでいる。
神奈川を取り戻したとはいえ、戦う相手が巨大すぎる。
それでも戦うのか茂木大輔!

つづく


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