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惚れ薬
【その他 官能小説】

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果肉甘いか酸っぱいか(2)-4

 体内を駆け抜ける快美感…。その心地よさは天を舞うか、地中を突き抜けるか、捉えようのないランダムな突風であった。
(我を忘れた…)
萎縮していきながらも過敏になった亀頭の痺れは尾を引いて余韻が続く。
 しばし気が抜けて茫然としていた。
引き抜くとペニスは血まみれである。どろりと逆流した精液が出てきた。白濁に鮮血の帯が混じり、流れ落ちながらピンク色に染まっていく。それは冬を耐えしのんで咲き誇る爛漫の桜花にも見える。
(優花が花開いた…俺が咲かせたんだ…)
散らせたのではない。股間を血に染めて横たわる少女の姿はたしかに悲惨にも見える。だが旅立ちでもあるのだ。
(こじつけでもいい…)
俺はこの子に女の命を吹き込んだのだ。奪ったのではない。与えたのだ。

 優花は小さな胸を上下させながら放心状態である。ぐったりと大の字になった裸体はとりわけ幼く見える。胸を衝かれた。
 さすがに罪悪感が顔を覗かせていた。だからこそ行為の動機と結果を自身に納得させようとしたのだ。しかし、やがて起き上がった優花の落ち着きをみてそれがあまり意味のないことだと知った。
「ふう」と溜息をついた優花は、自分の股間を覗き込んでも動揺すらみせなかった。
「血が出ちゃったね」
「うん」
「痛くない?」
「少し奥の方がズキズキするけど、みんなこうなんでしょ」
そう言って、俺にとっては『神秘』であった秘裂を無造作にタオルで拭って立ち上がった。そのまま部屋を後にしたのはシャワーを浴びに行ったようだった。

 考えた末、俺は散乱した衣服を身に着けた。これ以上セックスは無理だと思った。
戻ってきた優花は新しいタオルで胸を被い、髪を上げて白い項を見せていた。俺に一瞥を投げかけ、抽斗から下着を取り出すと背を向けてはらりとタオルを落とした。そして全裸の後ろ姿で振り返り、微笑んだ。一連の行動は男と情事を愉しんだいっぱしの『女』にしか見えない。
 下着を穿きかけて、小抽斗から手にしたのはナプキンである。
「まだ少し滲んでくるのよ」
まるですべてを知った大人の口調である。
「あのタオル、どうした?」
「ふふ、心配?大丈夫、生ゴミの袋に隠したから。わからないわ」
したたかな目つきを見せた。俺は苦笑するしかなかった。

 昂奮が遠のいていったのは優花の物言いが何とも気味悪く感じたからである。俺が見つめるのも気にせず、優花は艶めかしい笑みを俺に向けながら堂々と着替えを続けた。そして、
「キスして…」
俺の胸に縋って猫のように甘えるのだった。
「ママが帰って来たらまずいよ」
「わかってるわ…うまくやるわ…それまで、抱いて…」
(薬はいつ切れるのだろう……)

 その夜、帰宅した涼子と入れ替わるように挨拶もそこそこに家を出た。もし妙な言動をみせたりしたら…。それが怖かったのである。
(薬……)
効き方が恐ろしい気がした。発情して錯乱するのならわかるが、優花の場合はかなり違っている。
(爺さんは服用させる量に気をつけろと言った…)
たしかに規定より多かった。だがそれならばもっと乱れ、狂ってもいいはずである。それなのに落ち着き払った『奇妙な大人』になった。なぜだろう。……

 『成熟』の度合に関係があるのではないか?
いったい、薬の対象年齢を考えた時、それはいうまでもなく『大人の女』である。つまり、肉体、精神ともに成長していて薬本来の効果を発揮する。もしくは正常に作用する。爺さんも研究の過程で当然何らかの方法でサンプルを集めたはずだ。それはもちろん『大人の女』のデータであったろう。
 優花にはそれが備わっていなかった。何かが欠けていた。だから……。
そんな娘に飲ませてはいけないんだ。優花の脳神経に後遺症は残らないのだろうか……。
 真剣に考える自分がふと可笑しくなった。思考を巡らせながら、頭の隅で思い出していたのは優花の膣の感触だったからだ。
(ばかばかしい…)
余計なことを考えてどうしようというのだ。
(女と、ヤル…)
それ以外に何がある。……そのための薬ではないか……。

 


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