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惚れ薬
【その他 官能小説】

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果肉甘いか酸っぱいか(1)-2

 叔母の名は涼子という。その名の通り目元の涼やかな細面の気品ある面立ちをしていた。名門の女子大を出て叔父の勤める商社に入り、キャリアウーマンとして一線で活躍していたらしい。英語も堪能で、女性でありながら将来を嘱望されていたという。家柄もなかなかの名家だと聞いたことがあるが、気取ったところはなく、むしろ冗談を言う気さくな性格だった。ただ、身についた丁寧な言葉遣いや物腰は俺の家系にはないもので、たまにこそばゆく感じたこともあった。見方を変えればそれも彼女を彩る美しさの一面なのかもしれない。

 日曜日の朝、電話をかけると澄んだ温かな声が俺を包んだ。
「あら、正樹さん?しばらくね。お元気?」
その声を聞いただけでうっとりする。
「優花ちゃんのこと、聞きました。おめでとうございます」
「まあ、それでわざわざ。ありがとう。やっとほっとしたわ。先日義姉さんからもお電話頂いたのよ」
 それから、学校のことや実家の話などやり取りがあって、訪問のことをいつ切りだそうかと考えていると、涼子の方から道を作ってくれた。
「今日、お休みなの?」
「はい…」
「だったらぜひいらして。何かごちそうするわ」
「実は、お祝に伺おうかと思っていたんです」
「そんな、お気持ちだけで嬉しいわ。気を遣わないでね。お待ちしているわよ」

 電話を切って息をつくとまず一服煙草を吸った。ひと仕事したような疲れを感じた。不純な思惑をそのまま引きずると気持ちが重くなるものだ。
(問題はこれからだ、これから…)
言い聞かせるように口を引き締めた。
 さすがに心は揺れる。あの叔母と、涼子とセックスをするかもじれない。いや、行くからにはするのだ。決心は固い。それでも思いの片隅に霧のように迷いが流れてくる。
(涼子は叔父の妻…叔父は母の弟…)
分かり切っていることを辿ってみて俺は何度も溜息をついた。踵を返すつもりはない。唸って、踏ん張って、決意を強固にしたかったのだ。
 もし、涼子と関係を結んで、それが……。不安はなかなか払拭できない。
(薬だから心配ない。薬のひとときなのだ…)
 俺は意を決して立ち上がった。


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