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女友達
【その他 官能小説】

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寝つきの悪い夜-1

ああ……あいつは隣の部屋に行ったけど、俺は眠れないぞ。
あれからパジャマを与えられてそれを着て眠ることになったんだ。
だが、目は開きっぱなしで1時間くらい過ぎてる。
今日1日でもの凄く疲れているはずだけど、眠れない。
恐ろしい話を薄暗いところでさんざん聞かされたから、眠れる筈がない!
な……なんだ。そこに立っているのは誰だ。春香か? どうしたんだ?
お前も眠れないのか? なに、ベッドが替わると眠れないって?
枕が替わると眠れないって話しは知ってるが、スプリングの調子が違うのかな?
おいおい、お前どうしてベッドに入ってくるんだ?
「本当は松原も僕にそばにいて欲しいんだろう? 一人じゃ怖くて眠れないんだろう?」
お前こそ怖くて一人じゃ眠れないんだろう。自分で喋っておいて怖くなったんだろう。
「うるさい。それも少しはあるけど、同じベッドでなきゃ眠れないんだ。
今の時期に夜型の生活リズムになったら、高校生活に支障をきたすから」
じ……じゃあ、俺がどこかの客室に行って寝ようか。それも怖いけど。
「良いから、よく聞いて。一緒にそばで寝てあげるから、絶対僕の体に触らないこと。
約束できるかい」
実は……眠たくても目を閉じると、お前のした恐ろしい話しの場面が浮かんでくるんだ。
俺も変なことはしないから、お前も眠ってる時、俺の体に触らないでくれ。
「もちろんそんなのはお断りだ。じゃあ、眠るぞ。おやすみ」
お……おやすみ。


駄目だ。
隣に寝ている筈がいつの間に消えていなくなって、一人きりになってるような気がする。
おまけに春香の寝息が聞こえない。本当に隣に寝てるのか?
うわぁぁぁ……あの上半身だけの男の子が頭に浮かんだ。消えろ!
「おい、眠れないのか? 松原?
 もしかして、ベッドに一人きりのような気がするんだろう」
どうしてわかるんだ? さてはお前も眠れなくて、同じ目に遭ってるんだな。
「しかたないな。じゃあ、手だけ繋いであげるから。それで寝ろよ。
だけど、それ以外のところに触ったら、殺すよ。
松原が可哀想だから手を繋いでやるんだから。僕はしなくても平気だけど」
本当か? お前がそうしたいんじゃないのか? だけど、俺としても手をつなぎたい。
変な意味じゃなくて、そうしないと恐ろしくて神経が疲れるんだ。
ああ、ひんやりした柔らかい手だな。なんだか緊張が解けてきて眠くなった。

 


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