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女友達
【その他 官能小説】

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夜中に目覚めて-1

な……なんだ。ぐっすり寝ていたような気がする。そういえば変な夢を見たな。
姉貴たちが裸になって、俺に抱きついて来るんだ。
そして、現実ではありえないのに、俺が感じちゃっている夢を見た。
ところで、ここはいつもの下宿の部屋にしては何か様子が変だな。
暗いからよく分からない。俺の実家か? でもないな。
なんだか体が重いな。あれれ、誰かが俺の体に被さるようにしてる。誰だ。
えっ、もしかして女? 俺の胸になんか柔らかいものが。これってあれじゃないのか!
頬にかかる髪の毛、俺のじゃない。えっ、なんだ。耳元で聞こえる寝息は?
すごく近いぞ。首の辺りに息がかかってる。これは……これは……春香だ!
おい、春香。ちょっちょっと起きろよ。
「な……なに? 誰? あっ、な……何? お兄ちゃん、嫌だ!」
ち……違う。寝ぼけるな。春香、俺だよ。松原だよ。
「ま……松原、お前は僕の体に触ったね! 悪戯したんだろう!」
違う。今目が醒めたらこうなっていたんだ。
春香お前が寝返りをうったらしい。で、こっちに来たんだよ。
ほら、俺は動いてないだろう。
ほら、体を離してみろよ。俺は何もしてないからな。そうか、わかってくれたか。
それよりお前さ、お兄ちゃんって言ってたろ。
今でもうなされるのか?
2番目の母親の連れ子が布団に潜り込んで来たのがトラウマになっていたんだろう。
いやいや、変なこと思い出させて悪い。えっ、構わないって? 
いずれ対決しなきゃいけないことだって? えっ、俺と同じだって? 
どういう意味だよ。ああ、女アレルギーのことか。
「そうだよ。松原だって、それ治さなきゃ結婚できないだろう。
でも、今僕の体がくっついていたとき、気持悪くなったか?」
そういえば、ならなかった。
だけど、お前も俺と一緒に並んで寝てて、ぐっすり眠ってたじゃないか。
「だって松原が女アレルギーだって知ってるから、変なことされないって……
それに眠ってたのは松原も同じだろう。」
俺は俺で、お前が男性恐怖症の一種だと思ってるから、女っぽい匂いがしないからだ。
そうだな。今夜一緒に並んで寝たのが、お互いの治療になったかもしれないな。
なんだよ。えっ、どこまでできるかやってみないかって?
お前何を言ってるのかわかってるのか?
「勘違いするなよ、松原。僕はお前のことを好きでもなんでもない。
けれど女アレルギーという部分で信頼してるんだ。
僕はじぶんが男の欲望の対象にされるのが一番嫌なんだ。
まるで、男の前のおいしいご馳走のように、がつがつ食べられるような自分が嫌なんだ」
うんうん、わかる。
「だけど松原はそういう風に僕を見ないだろう。そこが僕には救いなんだ。
僕だって、松原に媚びたりしないだろう? 
だから、気持悪くならなかったんじゃないか?」
うーーん、俺自身よくわからない。動物に喩えると猫っぽい女は苦手だ。
だが犬っぽい女は平気だ。秋野円(あきの まどか)がそうだな。
お前は猫でも犬でもない。どちらかというとバンビっぽいかな。
ああ、そんなことはどうでも良い。
だけどできるとこまでやってみるって、どういうことだ?
 


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