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縄灯
【SM 官能小説】

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縄灯(前編)-7

「しっかり、濡れているじゃねえか…ぶたれてこれほど感じる女って、オレの好みだぜ…」

男の鼻先が割れ目の溝をえぐり、その舌先が肉襞を唾液でまぶしながら陰核へと向かう。彼の
生あたたかい舌の先端が息づき始めた蕾をゆっくり撫であげたとき、私は淫肉を小刻みに震わ
せた。

柔らかい肉芽の翳りが身悶えするように喘ぎ、彼の舌先を求めてそそり立つ…。私は下半身を
捩り、嗚咽を搾る喉咽を仰け反らせる。男の熱い舌先が湿った肉溝の奥を嗅ぐようにまさぐり、
唾液をたっぷりと含んだまま私の割れ目を少しずつこじ開けていく。

…ああっ…あっ…あっ…

生あたたかい舌が肉裂の窪みを深くとらえたとき、私の花芯がぶるぶる震えながらもしだいに
ゆるんでくるのがわかった。薄襞がねっとりとした彼の舌先と戯れるように絡み悶え始める。

男は私の窪みを味わい尽くすように鼻先で嗅ぎながら、舌の先端で気が遠くなるくらい執拗に
まさぐり、どす黒く肉びらをほぐしていく。


どれくらい長い時間だったろうか…。

私は男の舌先で秘部を奥深く犯されたあと、男のものを含んだことさえ気がつかなかったよう
な気がする。

私の脳裏に幻影のように浮かんでくるのは鬼だった…。暗い奈落から吹き上げてくる生あたた
かい風のなかに、目尻を吊り上げ、白目を剥いた鬼の幻影が、死斑を額に浮かべ、白骨化し、
砂塵として舞い上がろうとしていたのだ。

含んだ男のものを包み込む私の蜜汁が記憶の底の襞を流れていったとき、私の中の窪みで
何かが光ったような気がした。微かに耀き始めた光が何であったのかはわからない。

その淡い光は、蛇の透きとおった脇腹のような色彩をした男のペニスを鈍く照らしながら膣襞
を這い回っていたのだ。

「どうだい…オレのものは…真珠を埋め込んだチンチンなんて最高だろう…今までやった女で
気絶しなかった女はいなかったぜ…」男は私の耳朶を甘く噛みながら言った。

亀頭に鋼のような堅さを含んだ肉幹が、男の腰の蠕動によって私の中に強く押し入ってくる。
彼のペニスが私の薄襞を舐めまわし、痛みの快感を与えながら粘膜を擦りあげていったとき、
肉襞の細かい溝まで滲み入る男の亀頭の淫猥な生あたたかさで、私の性器のなかがまどろみ、
苦い汁で充たされていった。

…もっと、もっと…欲しいわ…

男のものを深く含んでいるというのに、無機質の気だるい呟きが私の深い沼の底の重苦しい
蒼穹に木霊する。そこにあるのは、過剰な蜜液の無言の頽廃。裂けていく淫唇から溢れてく
る濁り汁…そして、どこまでも封じられた性のうつろいだけだった。


私の上に覆い被さった男に組みしだかれ、肉の合わせ目を裂けるくらい開き、彼のものを
烈しく受け入れているというのに、私はいったいどこを向き、何を見ていたのだろう…。

からだに刻みつけられるものの虚ろさと空洞の奥に溢れる冷たさを感じたとき、私はふと自分
の記憶をたぐり寄せる。つかみどころのない艶めいた性の幻影が、私の記憶の映像にうっすら
と見え隠れし、蠱惑的な翳りを浮かび上がらせていた。



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