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縄灯
【SM 官能小説】

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縄灯(前編)-8

「…絞めて…首を絞めて欲しいの…」と、思わずそう呟いた私の言葉に、男はニヤリと卑猥な
笑みを浮かべた。

「いいのか…オレは女の首を絞めて殺したこともあるんだぜ…」と言いながら、男は私の中に
挿入したものをさらに硬化させながら、私の首筋に手を這わせる。

男は私の首を両手で少しずつ絞め、血管を圧迫していく…。

…もっと強く…お願い…もっと強くしめて…

男の額に汗が滲み、私の首を絞める手にじわりと熱いものが迸る。

息苦しさが徐々に増していくほどに、私は逆に甘い吐息を洩らし、私の中のうつろいを狂った
ほど抱きしめたい欲情に駆られる。

そして、私の肉襞が断末魔の咆哮を叫びながら小刻みな痙攣を始めると、男のものを強く喰い
絞めたのだった。そのとき腰をぐりぐりと突き上げた男は、私の子宮の奥底を煮溶かすような
熱い飛沫を放った…。


「…よかったぜ…」

男はそう言い放つと、私のからだの上に数枚の紙幣を放り投げ、私を残してホテルの部屋を
出て行った。

男がいなくなった部屋で、私は細かなさざなみのような性の余韻に浸りながら、ぼんやりと宙
を見つめていた。腿のあいだを生あたたかいものが流れていく。

私はぐったりとした体を引きずるようにそのホテルをあとにした。湿った夜気が私の子宮の奥
に雨の匂いと風の気配を感じさせた。あてもなく夜の街を歩き続け、電車に乗り、何かに糸を
引かれるように彷徨い歩き続けた。

そして、ふと気がついたとき、たどり着いた場所があの屋敷だった…。



母がキジマとつき合い始めたのは、私が十七歳のときだった。
私には父親がいなかった。父は私が生まれてまもなく病気で死んだと母は言っていたが、密か
に手にした私の戸籍の中の父親の欄には、何も書かれてはいなかった。でも、そのことで私は
母を責めるつもりはなかった。

私と母はずっとふたりきりの生活をしていたが、母がキジマの屋敷を夜毎に訪ねるようになっ
てからというもの、私は母に対して烈しい嫌悪感を抱くようになった。

私が初めてキジマという男を見たとき、まるで淫猥な女形の能面ような瓜実顔と蛇腹のような
彼の白い皮膚に烈しい嘔吐感さえ覚えた。

あの屋敷から戻った母の手首や首筋にうっすらと浮いた縄の痕、そして背中に刻まれた幾筋も
の鞭の条痕、胸元に残る赤く熔けた蝋燭の斑点…キジマと母がどんなことを行っていたのかは
わかっていたが、その行為の意味が私には理解できなかった。でも、母の化粧が艶濃くなり、
母の肌にキジマの臭いを感じたとき、私は初めて自分の中の鬼の囁きを聞いたような気がした。


でも… どうして、私がそれを望んでいたのかわからなかった…。


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