投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

紅館の花達の最初へ 紅館の花達 56 紅館の花達 58 紅館の花達の最後へ

紅館の花達〜双女花・返り咲き〜-3

………だが食堂もまた、しんと静まりかえっていた。
あと、行くところとしたら、黒竜館か、水竜館のメイドの誰かの部屋………
「ゼロゼロだって浮気してやる。」
昼間のゼロの言葉が頭に浮かんできた。
『………フフ、まさかね。 ゼロは私に夢中だし……』
だが、不安が少しづつ胸の中で広がる。
(ゼロ………浮気しちゃ嫌だからね………?)
不味い、泣きそう………
部屋に帰ろうと振り返ると、黒竜館に歩いて行く人影が見えた。
(………ゼロ?)
急いでその影を追って、黒竜館に入って行く。
そういえば、私は黒竜館に入るのは初めてだ。
男の使用人達が住む黒竜館は内装自体は水竜館と同じだったが、全体的に黒い家具が多かった。
一階の奥の方で話声がした。
私はその声を頼りに暗い中、廊下を歩いて行く。
『本当なんですの? ハイネルシス。
私(わたくし)は貴方を信じても良いのですね?』
クリスの声だ! 話声はクリスの声だった。
(なんでクリスが黒竜館に居るのよ………?)
廊下の奥、他の部屋とは離れた部屋のドアが少し空いていた。 私はそのドアの隙間から中を覗く……
『はい、姫。 私を信じてください………』
ハイネルシスも居た。 いや、ここはハイネルシスの部屋のようだ。
クリスとハイネルシスは部屋の中で向き合っていた。
『そう………わかりました。 貴方を信じますわ。
ゼロさんの誤解でしたのね…』
『あの時、スーザンさんが椅子から落ちてきたので受けとめたのですが、抱きとめたまま倒れてしまって………
ゼロさんは倒れて抱き合っていたところを目撃したのです。』
見ると、部屋の中にはベットが二つ…
『では、姫。 そろそろお休みになられませんか?』
ハイネルシスがいつもに輪をかけた敬語で話している。 そして、クリスはハイネルシスの問いにコクリと頷くとベットの方へ歩いていった。
(ええーーー!! クリス、ハイネルシスと同じ部屋なのーーー!!)
仰天しながらも、まだ私は部屋を覗いていた。
ハイネルシスは自分のベットに歩いて行き、寝る支度を整えているとクリスがハイネルシスの後ろに歩いてきて、背中に頬を寄せた。
『は、ハイネルシス………今夜は……私を抱いて下さらない?』
クリスの顔は恥ずかしさからか、真っ赤になっているのがわかる。
『………はい、わかりました。 姫。』
ハイネルシスは振り返り、ベットに座るとクリスの頬を両手で包み、そっと唇を奪った。
『んっ……はぁ………む………』
チュッ………クチャリ………
舌と舌が絡む音が聞こえてきた…
やがてハイネルシスがキスをやめると、クリスの顔は赤く上気していた。
ハイネルシスの指が、そっとクリスの服を脱がす。 一枚一枚丁寧に愛を込めたキスをしながら………
『あぁぁん!!』
露になった乳房、その頂点をハイネルシスが軽くかじるとクリスが声を上げた。
『感じておられますね…』
全裸になったクリスをベットに寝かせると、ハイネルシスは上に覆い被さり、あちこちとクリスの肌にキスマークをつけていった。
『…姫が、ハイネルシスのものである証です。』
クリスはふと何かを閃いたように手を叩くと、カプリとハイネルシスの肩辺りにしゃぶりついた。
『ひ、姫?』
クリスの唇が肩から離れると、そこには鮮やかなキスマーク。


紅館の花達の最初へ 紅館の花達 56 紅館の花達 58 紅館の花達の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前