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『神々の黄昏』
【SM 官能小説】

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第3章-1

      第3章

 やがて奥の扉が開き、華やかなブルーのロングドレスに身を包んだ女が現れた。背中まで伸ばしたストレートの黒髪が美しい。顔立ちも立ち居振る舞いも優雅でエレガントな女だった。香織が椅子を引いて、この女は祐志と向かい合わせにテーブルに着いた。
「はじめまして。久野あやかと申します」
「北岡祐志です。はじめまして」
「北岡さん、香織と美鈴の接待はいかがでしたか」
「ええ、とても満足しています」
 まだペニスに残る快感を味わいながら祐志は答えた。
「それはよかったです。でも、香織は臭くなかったですか」
「臭い?」
「ええ、この子は草井マン子という異名を持っていて、マンコがとても臭いんですのよ。ねえ、香織」
「はい、奥様。私のマンコはとても臭うございます」
 香織は表情一つ変えずに淡々と言う。よくここまで調教したものだと祐志は感心した。
「そうだ。北岡さん、一度香織のマンコの匂いを嗅いでいただけますか」
「ええ、ぼくでよかったら」
「香織、北岡さんに嗅いでもらいなさい」
「はい、かしこまりました」
 そして香織は祐志の席のすぐ横まで来て、足を肩幅に開いて立った。
「北岡様、私の臭いマンコの匂いを嗅いでいただきたく存じます」
「はい」
 祐志は椅子を立つと、香織のすぐ前にしゃがみ込んだ。そして両方の手でそれぞれ香織の両方の太腿をギュッと握り、顔を股間に近づけた。
 レオタードがあまりにもハイレグすぎるため、間近で見ると毛の生え際が少しはみ出しているのが見えた。祐志はさらに顔を近づけ、鼻をマンコのあたりにくっつけてくんくんと匂いを嗅いだ。
 レオタードのエナメル革の匂い以外には特に何の匂いもしなかった。しかし久野あやかに弱みを握られている身として、ここはあやかの意に迎合した方が得策だと直観的に判断した。
「なるほど、確かに臭いですなあ。おしっこの匂いがしますよ」
「おほほほ。香織のマンコが臭いのは、いつもおしっこをちびってるからだったんですね」
 あやかは嬉しそうに言う。
「これからは草井マン子ではなく、草井おしっ子と呼びましょうか。おほほほ」
 しかしあやかは突然そこで笑うのをやめ、すでに元の位置に戻って起立している香織をキッと睨みつけた。
「それより、香織。あなた、まだ北岡さんにお礼を言ってなかったわね。どういうつもりなの」
 香織は一瞬ハッとしたような表情を見せ、
「あ、どうも申し訳ございませんでした。北岡様、私の臭いマンコの匂いを嗅いでいただいてありがとうございました」
 と深々と頭を下げた。
 若い娘が見知らぬ男にマンコの匂いを嗅がれるだけでも、たまらなく恥ずかしいことだろう。そこへおしっこの匂いがすると言われたのだ。それでも拒否することはもちろんのこと、笑いでごまかすことすら許されていない。もう恥辱に耐えるのが精一杯で、礼を言うのを忘れたとて無理もなかろう。祐志は香織が少しかわいそうに思えてきた。
「香織は罰として、後で谷本から全裸逆さ吊り鞭打ちのお仕置きを受けなさいね」
「はい、かしこまりました」
 あやかの命令に、香織はやや顔を引きつらせて答えた。
「それでは、北岡さん、そろそろ本題に入りましょうか」
「はい」
 今度は祐志が緊張する番だった。
「あなたは昨夜この館で犯罪を犯しましたね」
「いや、まあ、それは、そのう」
「お認めになるんですね、利佳を殺害したことを」
「ですから、それは、そのう。えっ、殺害?」
「はい。今朝、利佳は遺体で発見されました」
「そんな馬鹿な!」
 祐志は思わず声を張り上げた。今朝この部屋で別れた時は、利佳はあんなに元気にしていたではないか。
「おや、今度は否認なさるんですか。では百聞は一見にしかず、遺体をご覧に入れましょう。どうぞこちらへお越しください」
 あやかは、香織と美鈴には大広間に残るように命じ、自らは祐志を連れて外に出ようとした。祐志もそれに従った。
 階段を上り、三階の奥から二番目の部屋にいたる。昨夜祐志が利佳と寝た部屋だ。中に入ると、ベッドの上で利佳が全裸のまま仰向けに横たわっていた。首筋には縄状のもので絞められた跡がある。そして白衣を着た男が利佳の体を丹念に調べていた。


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