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熱いバトル・トーキング
【その他 官能小説】

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スタジオにて-12

 これで彩香と三郎とのバトルが決着したところで、信一郎が言った。

「あの、この中でまだ発言しない人がいますが、その女性どうですか、
性とセックスについてあなたのご意見をお聞かせ下さい」

 その女性はしっとりとした雰囲気で、皆が言うことにじっと耳を傾けていた。
 紫色の着物をキリリと着こなし、背筋をピンと伸ばした粋な女性だった。
 あか抜けたその出で立ちから、
何か高級クラブのマダムのような女性を感じさせたるのだ。

 参加者達からは「あの人は誰?」と噂をされる程の美人である。
 その彼女は、今日のゲストである梓かおるに美しさで負けていなかった。
 だが、人の美しさとは外観だけではない。

 そこはかとなく漂うお色気と、上品さを兼ね備えた人こそ、その人だと言える。
 それが彼女である。
 決して出しゃばらず、と言って抑え気味でもないのだ。
 女優のかおるさえ彼女の動向を眼で追っていたくらいではある。
 さすがに、彼女を見つけた信一郎の眼力は確かだった。

「あっ、はい、そうですね、まだ私だけが何も言っていませんものね、
私は皆さんの言うことを聞いていて、なるほどと思うことばかりです、
そうそう、年齢と名前でしたね、四十二歳でみき、と申します。

 性に関しては、誰かがおっしゃっていましたが、人が生まれ落ちたときに、
神様が与えて下さったシンボルだと私も思います、

 それから私はもう一度生まれ変わるとしたら、やはり女が良いと思っています、
だって女性ならばお着物やお洋服など好きなものを選んで楽しめますし、
女の喜びだって……


 それからセックスについてですが、
私が若い頃で、彩香さんのお年頃のときには、なんていいますかその女の喜び、
というものをよくは知りませんでした、
 ただ男性に抱かれていて、こんなものかと思っていましたが、
今この歳になってその、女の喜びと言うのでしょうか、
ようやく分かってきたような気がいたします」


「ふーむぅ、なるほど」
 悠太郎と三郎は、最もだと言わんばかりに頷いていた。

 初めて口を聞いたこの美しい女の発言に皆は真剣に耳を傾けていた。
 ここでしばらく黙って聞いていた信一郎が発言をする。

「確かにみきさんが言われるように、女性の快楽は男性と違って、
一度火が着くとメラメラといつまでも燃えあがり、
消えたと思っても、ちょっとした火で再び燃えあがるようですからね、
我々のような男に到底かないません」

 そこで女たちはクスクスと笑った。

「でも、先生・・男性でも女性よりも、もっと激しい強烈な情熱があるじゃないですか」

 そういったのは、今まで皆の発言を黙って聞いていた梓ひかるだった。
 彼女は黒髪を肩に垂らしながら妖艶な姿で聞いていたが、そろそろ、
自分の出番だと自覚したのだろうか、妖しい目で男たちを見つめた。

 ひかるは、この美しいみきという女性にライバル意識を持ったのか
凛として前を見据えて言った。
 女とは自分よりも下の序列の女性ならば、安心するか卑下をするかだが
対等の立場の相手が居るとなると、俄然、闘争心を発揮するらしい。

 彼女のファンでもある悠太郎と三郎は女優の梓ひかるを見て、
体の中を熱い血が流れるような興奮を覚えるのである。





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