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催眠の保健室
【学園物 官能小説】

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日常と非日常-1

<日常と非日常>

あれから1ヶ月が経とうとしている。
裕人が由美の秘密(特技)を知って以来、刺激的な出来事は無かった。
そんな、平穏な日々が裕人と由美の関係を急速に近づけた。裕人は由
美の事を二重人格ではないかと当初から思っていた。その片側の由美
とは、クラスの友達以上に仲が良くなっており、どんな事も話せる関
係までになっていた。

裕人が保健室行く回数は他の人とは比べ物にならないほど多いが、そ
れは教師、生徒、学校全体の公認となっていた。
由美が保健委員を廃止させ、それまでの活動を生徒会の管轄にした為
である。その保健担当を裕人が行っていた。
由美の手に掛かれば、催眠など使わずとも人や組織を動かし、自分の
思うようにする事など容易かった。
由美の思惑通り、保健室は由美と裕人の憩いの場と化していた。

−とある放課後−

「ヒロ君モテモテだねぇ。5人目だよ!」
由美のニコニコした笑顔。
「そんなことないですよ。やめてくださいよ。」
照れながら誤魔化す。
「だって、本当の事じゃん!それとも女の子達が嘘ついてるとでも?」
「そうは思いませんけど...話題を変えましょう!」
裕人が無理やり話題を変えようとする。
「嫉妬しちゃうなー。」満面の笑みで冗談を言う。
裕人と由美は生徒に催眠を掛け、いろんな事を暴露させ、その話題で
盛り上がる事を1つの楽しみとしていた。
「それにしても、ヒロ君も悪に染まったわねぇー。会ったばかりのと
 きは、こんな悪い事する感じじゃなかったよね!」
嬉しそうに裕人に語りかける。
「な、何言ってるんですか!先生のせいじゃないですか!」少しトー
ンが上がる。
「あたしのせい?んふふっ、嬉しい事言うじゃなーい」
「冗談はやめてください!それに、僕は先生の恐怖に怯えて、いいな
 りになってるだけですから!」
裕人が平気で冗談を言えるほど関係は深くなっていた。
「ひどーい。ヒロ君、こんな子じゃなかったのにー」
泣いている素振りをする。
裕人はその姿がとても愛らしく感じ、自然に笑みがこぼれた。
「みんな騙されてる!こんな男が5票も獲得するなんて!でも、ヒロ
 君。現在は2位だからね!」
「別に争ってないですよ。」冷静に言葉を返す。
「ダメっ!」
「どうして、先生が悔しがってるんですかぁ?」
「あたしのヒロ君が負けるなんて...」ガッカリした様子。
「なんですか、それっ」
裕人は軽くあしらったが、実際とても嬉しい気分になった。
「8票、芹澤恭平。惨敗だぁ...」由美のトーンが落ちる。
「僕と違って、イケメンですからね。」苦笑いする。
「確かにイケメン..だけど、なんか嫌ーい。」
裕人は”その台詞、ホントに教師ですかっ!”と思った。
「そういえば。悪に染まっても、他人の悪口は言わないね?」純粋な
疑問を抱いた。
「そうですか?人並みには言いますよ。」
「誰の?」由美は興味が湧いてきた。
「えーっと...すぐには..」言葉を詰まらせる。
「いるんだぁー。」早く言いなさいと言わんばかりの顔をした。
「いつも嫌味ばっかり言ってくる人がいて..」
申し訳なさそうに口にした。性格の良さがわかる。
「どうして嫌味を言われるの?大体わかってるんでしょ?」
「たぶんですけど...彼女が..いるから..かな。」
「嫉妬ねっ」
「誰?5人の中にいた?」
「いえっ...」
「あらっ!6票ねっ!誰?」由美は嬉しそうにしている。
「望月藍って子です...」
「ふーん。許せないわね。その子」久しぶりに真面目な表情を見せる。
「別に全然気にしてないし、たいした事じゃないですよ!」
裕人が由美のほうに顔を向ける。何か企んでいる顔をしていた。
「はぁぁ...」裕人は面倒な事になってしまったと思った。


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