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催眠の保健室
【学園物 官能小説】

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自己紹介-1

<自己紹介>

裕人は授業の内容が頭に全く入らなかった。理由は言うまでも無く
昨日の放課後の出来事が頭にあるせいだ。はっきり覚えている部分
といくら思い出そうとしても思い出せない部分がある。現実とは、
わかっているが、現実離れした体験。夢を思い出そうとしているか
のような感覚にもどかしさを感じていた。

あっという間に午前中の授業が終わり、友達と一緒に弁当を食べて
いたが友達の会話すら頭に入らなかった。
「裕人!どうした?全然元気ねぇーじゃん。」
「ちょっと考え事してるんだよ!」
元気が無い事は自分でもはっきりわかるが、昨日のことを言えるは
ずも無く、誤魔化した。
「優奈と上手くいってねぇーんじゃねぇーの。」
「ば、ばか。違うから!」
彼女の名前を出され、ドキッとした。
そんな会話をしているとき、裕人のケイタイが鳴った。
「彼女かよ。上手くいってんじゃん。つまんねぇ」
「だから、そういってるだろ!」
裕人がケイタイを見ると、メールが一通来ていた。優奈かな?と思
い、メールを見ると。差出人に”Y.S”と書かれていた。こんな
ときに迷惑メールかよと思ったとき、題名”保健室に来て”という
文字が見えた。

心臓を一気に鷲掴みにされた感覚。

裕人は何も考える暇なく、椅子から飛び上がっていた。
「どうした?裕人。」
「あっ、ちょっと用事が...」
そんなありきたりな台詞を残し、教室から小走りに出て行った。
保健室の前まで来たものの、入る勇気が無い。心臓はバクバクと音
を立てている。幸いな事に周りに人はいない。しかし、ここでずっ
と立ち尽くしているのは、さすがに不振に思われると思い、勇気を
出してドアをノックした。
コンコン「御子柴です。」
「はーい。どーぞー。」中から由美の声が聞こえた。
「し、しつれいしま..す」
ゆっくりドアを開けると、由美が椅子に座ってこっちを見ていた。
「遅いよー。待ちくたびれちゃった。」
可愛らしい笑顔で裕人に話しかけた。
「す、すいませんでした」心臓をバクバクさせながら、謝罪した。
「冗談よ。びっくりした?」
「は、はい!」裕人は用件を聞きたかったが自分から切り出せない。
「緊張しすぎだよ。こっち来て」
「...はい」
怯えながら、ゆっくりと由美に近づいた。
「今日の用件はね....」
由美はニヤニヤにながら、間を取る。裕人の気持ちが手に取るよう
にわかるからだ。
「仕事頑張りすぎて疲れちゃった。肩揉んでー」
「えっ?あっ、はい。わかりました。」
裕人は混乱と安堵感とで、複雑な心中だったが、安堵感のほうが強
かったのか、緊張が少しほぐれ、由美の後ろにまわった。
「このぐらいの強さでいいですか?」
「うん。快適ー。お昼休みはあと何分くらい?」
「あと..15分くらいです。」
「じゃあ、10分くらいお願いねぇ」満足そうな顔をしている。
特に会話も無く、裕人は肩揉みを続けた。
「せ、先生。そろそろ10分です...」
「ん..もう?寝ちゃってた..ありがと。もう戻っていいわよー」
「は、はい。失礼します。」
裕人は一礼し、ゆっくりと歩いて、保健室から出ようとした。
「あっ、ヒロ君。」
裕人はまた心臓を鷲掴みにされた気分に襲われた。
「今日の放課後なんだけど...」
裕人は勇気を出して、ゆっくり由美のほうを振り返る。
「あたしの事いろいろ教えたいから、放課後すぐに来れる?」
「...あのー、今日はちょっと...」
「んふふっ。待ってるからね。」
いつも通りの可愛らしい笑顔で裕人に微笑みかける。
「あとね。可愛らしーい女の子も一人連れてきて!」
裕人の言葉、都合を全く無視して、話を進める。
「じゃあ、またね!」
裕人はまた一礼をして、保健室を出た。


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