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中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

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訪問者-1

中道深夜探偵事務所
■訪問者

そこは高級ホテルを思わせる豪奢な一室。

天井には豪華なシャンデリア。シャンパン色をした壁の左側にはクラシックな花の油絵が、右側にはチョコレート色のキャビネットが壁と一体化。
床はワイン色のフロアマットで統一され、見る角度によって黒にも深紅にも見える。室内には静かにジャズピアノが流れていた。ここは中道深夜探偵事務所。

因みに、深夜探偵とは主に面倒な調査や人に言えない大人の悩みを解決に導く為の機関。その相談内容の9割以上は性的問題で占められる。

営業時間は午前0時〜午前3時。但し、調査は時間外でも実行される。

事務所の奥は木製の広い代表机にPCと内線電話が置かれ、スーツ姿の少年が黒のプレジデントチェアにどっぷりと腰掛けている。
「代表、コード'05D633'、こちらでございます」
黒服に白シャツ、蝶ネクタイをした白髪の老人。執事の坂井が一礼する。
チェアに腰掛けていた中道は、坂井から受領したデータカードをPCへ挿入し、進捗状況を確認。キーボードを叩いた。



1週間前…

「中道深夜探偵事務所へようこそ。執事の坂井でございます。以後お見知りおきを」
坂井に連れられて1人の女性が入ってきた。今回の相談者だ。
年齢は20代前半といったところか。見た目はスーツ姿でカッチリしているのだが、どことなくオドオドしている。目の焦点が一定せず、この豪奢な事務所を目の辺りにして「何か自分は場違いな所に来てしまったのではないか」と困惑した感じで立っていた。

「こんばんは。わたくしが代表の中道でございます。さあこちらへ」
中道は名刺を差し出した後、油絵側にある応接場まで誘導する。木目調の長いテーブルだ。中道は手前のソファーに女性を座らせ、自身も正対する壁側に座る。
女性は驚いている。「こんな男の子が代表だなんて」とでも思っているかも知れない。
「最初に来られたお客様は皆様同じ反応をされます。フフッ、結構ですよ。楽になさって下さい」
中道はにっこりと微笑みかける。女性の緊張をほぐすには効果的な笑顔だ。それでも、彼女は極度のあがり症なのか、なかなか言葉が出てこない。
「あ、あのぅ。あたしぃ、どうしたらいいか…」
「男性のことでお悩みですか」
「えっ?」
女性の表情が硬直する。「何で分かるの?」といったところだろう。
「あっ、ごめんなさい。実はそうなんです」
「こちらこそ。先回り失礼しました」
中道は苦笑いしている。

それにしても、この女性…色々特徴がある。厚化粧、セミロングの黒髪、白い肌、丸顔、つり目、大きな団子鼻の回りにそばかす…何だか垢抜けてない。その割に赤のマニキュア、真珠のイヤリング、大振りな高級スーツ、バッグやヒールもブランド物か…お世辞にも似合ってるとはいえないな。それに、香水の臭いも強烈だ。

「失礼します」と執事の坂井がコーヒーを用意してテーブルに置き、一礼して引き上げる。少し落ち着いた後、中道が切り出す。

「で、具体的には?」


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