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『秘館物語』
【SM 官能小説】

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『秘館物語』第2話「訪問者」-2


「はぁ……はぁ……」

 グルッ、キュル、キュル、キュル……

「ん、ぐぅ……う、うぅ……」

 ブ、ブブ……

 深夜の廊下に響く、無気味な音。望の苦しみを生み出している腹部の蠕動と、その出所を無情にも塞いでいるア×ル・パールの電動モーター。

 コツ、コツ…… ジャラッ、ジャラッ……

 志郎の足音、そして、擦れあう鎖の金属音。
「あ……」
 やがて、志郎の足がとまった。廊下の広がりが急に大きくなり、その間に一本の柱が立っている。
「………」
 その場所にたどり着いた望は、必ずしなければならない行為がある。そして、志郎が足を止めたということは、“慣例”となっているそれを彼が望に強いていることだということは、何も聞かなくてもわかっていた。
 唸る下腹の苦しみに耐えながら、柱の近くに寄る望。そして、おもむろに左足を高く掲げたかと思うと、そのままの体勢で何かを待っていた。
「く……あっ……」
 ぶるっ、と大きな震えが彼女の体に起こった瞬間、高く足を掲げたことで口が開いた股間から黄金の飛沫が散った。
「あぁ……」

 シャアァァァァ……

 その奔流が柱の根元に降りかかり、湯気を立ち昇らせる。まさに犬の如く、望は放尿をしていた。

 シャアッ、シャアッ、シャアァァァァ!

 金色の飛沫は留まることを知らないかのように、激しく望の股間から噴出してくる。
 なにしろ、この“散歩”のある夜を前にすると、彼女は一昼夜トイレに足を運ぶことを自ら禁ずるので、その間に蓄積した排泄液は、一回分の放尿のレベルではありえないはずの勢いを生みだして当然だった。

 ショロッ、ショロッ、ポタッ、ポタッ……

 その勢いが静まり、望の股間から最後の雫が放たれると、“犬”と化していた望は足を下ろす。
 本当なら、雌の犬は足をあげて放尿しないはずだが、志郎を愉しませるという意味でも彼女は知らず、望んで屈辱的な体勢を取っているのだ。
 …そうだ。
 望は、この行為を悦んで享受している。“犬”となり、志郎に全てを委ね、全てを晒すことに対して、彼女は何も忌避することなどしない。
(私は、犬……)
 今は、本気でそう考えている。それは異常なことかもしれないが、望にとって本望となっているのだから、部外者には口を挟めない確かな感情があるのは間違いない。
 放尿が終わり、志郎の指示を待つ望。
 今度は何処へ向かって、歩き始めるのだろうか。
「?」
 だが、志郎は動かない。
 望はその真意を、初めのうちは図りかねていたが…

 グルッ、グルルル……

「あ、あっ、く……!」
 下腹のうねりから起こった苦しみを感じた瞬間、全てを理解した。
(ここ、で……?)
 全てを、曝け出せというのだろう。
(でも……)
 確かに、この柱はそのための場所ではあるが、“大きい方”はしたことがない。何しろ、小水とは違い確かな存在が残る行為だ。その後始末はいったいどうするというのか…。
「あ、だ、旦那様!」
 望の逡巡を責めるように、志郎が尻尾の先を掴んだ。
「や、ま、待って……!」
 そのまま、引きずるようにして尻尾を引き抜いていく。
「ヒィィッ!」
 脊髄を迸るように走った汚辱的な悦楽。
 それは、尻の穴を犯すようにして飛び出していくパールの感触から生み出されたものだ。


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