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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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接触-7

 「貴方は私を失敗作だと思っているんでしょう?私には願ってもいないことだわ。ずっと貴方の奴隷でいられるんだもの。他の誰かのペニスなんか挿れたら私はその人を殺してしまうものね」

「俺は奴隷なんかいらないんだけどな」

「そんな貴方だから、こうするしかなかったのよ。貴方の傍にいる為に。あの男には感謝しきれないわ」

あの男、と聞いた途端アズールはギリと歯を噛み締める。

調教に用いたサキュバスの体液はごく微量のものだった。

抗体を持たない生身の人間にも軽い催淫作用を起こさせる程度の。

しかし彼女はその調教の手前で、あの男――ノアの血液を飲んでいた。

他人に何の感心も抱かずアズールにだけ執着するノアにとって、彼女の自殺めいた懇願は唯の遊戯の一貫だったのだろう。

「お前たちは、俺をどこまで困らせれば気がすむんだ」

「ふふ、色男は大変ね。いいのよ、要らなくなったら捨てて。貴方に必要とされないなら私、何も欲しくない」

「それは・・・・」

「貴方は優しい人だものね、アズール。私を見捨てたり出来ないの。奴隷の私に、こうして常に目を届かせて、呼吸を確かめて、私を快楽で生かし続けるの。なんて残酷で素敵な男なのかしら、貴方って人は」

囁くような甘い声は次第に皮肉の混じる笑みへと変わる。

怒りとも虚しさとも付かない激情に胆が冷えていくのを覚え、アズールは彼女の際奥をゴリゴリと、それでもまだ奥へ貫いた。


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