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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第9話-16


「それじゃあ、好きな番号を空いてるところから選んでね」
 桜子が見せてくれた一覧表によれば、使用している番号には、もう名前が入っている。加えて、主としている守備位置も記入されていた。
 結花と航は、覗き込むようにして、使える数字を追いかけた。

 1:草 薙(投 手)
 2:吉 川(二塁手)
 3:屋久杉(一塁手)
 4:本 間(右翼手)
 5:岡 崎(遊撃手)
 6:
 7: 浦 (左翼手)
 8:
 9:栄 村(中堅手)
10:若 狭(三塁手)
27:蓬 莱(捕 手)

「蓬莱センパイの“27”って、やっぱり捕手だってことを意識してるんですよね」
「わかるんだ?」
「そりゃあ、もう」
 結花もまた、背番号にまつわるプロ野球の歴史には詳しい。
「だったらわたし、“28”番にします」
 結花は、迷いなくそう言った。
「いいの? 一桁番号も残ってるよ?」
「蓬莱センパイの、すぐあとの番号をつけたいんです」
 はっきりとした意思がそこにあった。まだそれと確認していないが、桜子が大和にとって大事な人だというのなら、その人を目標として追いかけていきたいという気持ちが、結花にその番号を選ばせていた。
「それじゃあ、結花ちゃんは28番で決まりだね」
 桜子が、一覧表に早速とばかりに、結花の名前を書き込んだ。なんとなく嬉しそうな様子だったのは、背番号でも自分のすぐ近くにいたいと言ってくれた後輩の思いが、とても喜ばしく感じられたからだ。
「航君はどうする?」
「俺は……」
 少し、逡巡を見せた航だったが…、
「30番をつけます」
 と、選べる番号としては一番最後の数字を選んでいた。
 その数字をつけることで、チームの中で一番下にいることを意識し、精進したいと考えているあたり、いかにも彼らしい番号の選択と言えた。
「二人とも大きな番号を選んだね〜。でも、屋久杉先輩も品子さんも、今年は一桁番号になったから、あたししか大きな番号いなくなっちゃってたんで、なんだか嬉しいなぁ」
 ホクホク、という擬音を当てはめたいほど、桜子の顔が笑みでいっぱいだった。
 ちなみに、桜子の言うように、雄太と品子は自分の番号をそれぞれ、“13”から“3”に、“14”から“4”に変更していた。
 これは、雄太が、エースの座を大和に譲り渡して野手として専念すること(もちろん、控え投手ではあるのだが)を、“1”を数字から外すことによって、番号の中でもケジメをつけたいと考えたからだ。専任する一塁手の通し番号とも一致するので、その点でも好都合だった。品子もまた、望んで雄太のすぐ後の番号をつけていたから、それに追随したのである。
 よって、桜子ひとりが大きな番号を背負うことになっていたのだが、結花と航がそのすぐ後ろにつくように番号を選んできたので、そんな可愛い後輩たちに顔が綻ぶのも当然といえた。
(蓬莱センパイって、カワイイ人だな…)
 表情が本当におおらかで、結花は桜子のことがいっぺんに好きになっていた。もちろん、百合的な意味ではないから、想像するなよ、諸君。
『ステキな桜子お姉様…』
『可愛いあたしの結花…』
 とか、こんなふうに。
(想像してるのは、アンタでしょうが)
 …だから、第3世界に割り込んではいけませんて。
 さて、である。
 背番号の選定も終わり、練習着である旧ユニフォームに着替えて、結花と航を新しく仲間に加えた軟式野球部は、グラウンドでの練習を開始した。
 全体ランニングからはじまり、キャッチボール、ベースランニング、トス・バッティング、サーキット・トレーニングと、丹念な準備運動をこなして、実戦練習に移る。
 いつもであれば、打順で行われるフリーバッティングが始まるのだが、雄太が最初に“実力を見せてもらう”と言っていたように、二人に対するノックがまず行われることになった。


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