投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

"ちぃちゃん"に勝った!
【幼馴染 恋愛小説】

"ちぃちゃん"に勝った!-3

「千聖ちゃん一緒に行こうよ!」
ボーリングでペアを組んだ彼が残念そうに叫んだ。
「いいのか?」
雅樹は追いついた私に話しかけてきた。
「何が?」
「彼....残念そうにしてたけど....」
「いいの!別に関係ないから....」
「いや..こんなチャンス滅多にないんじゃないかって....」
「ひっどぉい....私..これでも何度も告られた事あるんだよ!」
「知ってる....でも..お前に告って来る奴はロクな奴いないな!」
「それ言わないで....気にしているんだから....それより今日デートじゃなかったの?」
「えっ?何で?」
「だってこの前可愛い女の子に告られてたじゃないの!」
「えっ?あれ?」
「うん.....」
「あれはこのバイトの誘いだよ!彼女ケーキ屋の娘なんだ!」
「えっ!ケーキ屋でバイトしてるの?」
「うん....俺はケーキの配達とか雑用専門だけどね!」
「その格好で?」
「うん!雰囲気作りも大切なんだって!」
「ふうん....」
「あっそうだ!これから何か用事ある?」
「別にないけど....」
「じゃぁ....つき合って欲しい所があるんだけど....」
「いいよ....別に....」
私は嬉しさを隠してぶっきらぼうに答えた。
「じゃぁ頼む!」
「うん!」
そんな話しをしているうちに雅樹がバイトしているケーキ屋に着いた。
「ちょっと待ってて!」
雅樹は店の前に私を待たせて、店に入って行った。

しばらく待ってていると
「寒いのに待たせてゴメン....」
店から出てきた雅樹が珍しく私を気づかってくれた。
「ううん..全然大丈夫だよ!....で....つき合って欲しい所ってどこ?」
雅樹が口を開こうとした時
「雅樹さん!これ父から!」
前に雅樹をバイトに誘った女の子が店から出て来て雅樹に箱を差し出した。
「えっ?何?」
「ケーキです!クリスマスケーキ!可愛い彼女さんと一緒に食べて下さい!....あっ....でも....もうどこかで予約してますか?」
「いや....予約はしてないけど....」
「それならどうぞ!残り物で申し訳ないんですけど....」
「でも....」
雅樹が遠慮していると店から店長が顔を出して
「雅樹君遠慮しないでもらってくれ!毎年この時期に手伝ってくれている人には渡しているんだ!」
「それじゃぁ....遠慮なく....店長!ありがとうございます!」
雅樹が頭を下げたので、私も一緒に頭を下げた。
「ハイ!どうぞ!」
雅樹は手渡されたケーキを受け取って
「ありがとう....しかし....可愛い彼女ってどこにいるんだ?気が強くてすぐに怒る女ならここにいるけど!」
「ちょっと!それどういう意味よ!」
「ほら!この通り!」
「あのねぇ!」
私と雅樹の会話を聞いていた女の子は
「仲がいいんですね!」
「えっ!?」
「なんでも言いあえる....そういうのなんか羨ましいです!」
「そう?」
「ハイ!それじゃぁ....」
女の子はそう言って帰って行った。
「行こう!」
「うん!で....どこ行くの?」
「いいから!」
私は雅樹の後について行った。
「ねぇ?やっぱりバイトしたお金で"ちぃちゃん"が出ている恋愛妄想ゲームを買うの?」
私は雅樹と腕を組んでみた....雅樹はあえてそれに触れずに
「実は..もう予約してあるんだ....」
「やっぱり....で....これからそのゲームを買いに行くの?」
「それなら..お前を誘わないよ....用事があるのはあそこだよ!」
雅樹が指差した先は....
「あの店は....」
私は雅樹の顔を見た。あの店は以前雅樹と歩いている時にウィンドウに飾ってあったコートに一目惚れした店だった....私には手の出ない値段だったので諦めていた....


名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前