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"ちぃちゃん"に勝った!
【幼馴染 恋愛小説】

"ちぃちゃん"に勝った!-6

その日は大晦日だという事もあり電車は夜通し動いていた。最寄りの駅に着いた時には話す事がなくなっていた。こんなに話したのは久しぶりだった。駅を出てしばらく無言で歩いた。
私はおみくじの"思いは必ず通じる"を信じて
「あのっ....あのねっ....」
「ん?何?」
「私....私ね....」
それ以上言葉が続かなかった。
「我慢は体によくないぞ!あそこのコンビニでトイレを借りたら?」
雅樹は少し先にあるコンビニを指差した。
「うん....今日は冷え込んでいるからトイレが近くなって......て....違うわよ!」
「ハハハ....ゴメン....」
「ったく....変な事言わせないでよ!」
私は少し怒ってみせた。
しばらくの沈黙の後
「俺....千聖が好きだよ....」
「知ってる...."ちぃちゃん"可愛いもんね....」
例えそれが冗談でも私は雅樹からそんな言葉が聞けて嬉しかった。
「何言ってるんだよ!俺が好きなのは中田千聖だよ!お前だよ!」
「えっ?私?また私をからかっているのね?」
「なんでそんな事言うんだよ!俺は本当にお前が好きなんだよ!」
「だって....あんたは"ちぃちゃん"が好きだって....」
「あのなぁ....お前だって"ちぃちゃん"だろ!」
「あんたが私の事を"ちぃちゃん"って呼んでたのって小学生の頃じゃないの!今はそう呼んでくれないじゃないの!だから....」
「高校生にもなってお前の事"ちぃちゃん"なんて呼んでたらみんなになんて言われるかわかるだろ!」
「でも....」
「あぁあ....俺が"ちぃちゃん"が好きだって言ってる意味わかってくれてると思ってたんだけどなぁ....」
「そんなの私にわかるわけないでしょ!はっきり言ってくれないと....」
「それもそうだな!お前がわかるわけないな!」
「ちょっと!それなんだかムカつくんだけど....」
「ハハハハ....そうムクレるな!そんなお前が好きなんだから!」
雅樹はそう言って私の頭を撫でた。雅樹にそう言われると何も言えなくなってしまう。
「俺はお前が好きだよ!小さい頃からずっとお前が好きだった!俺はお前の事をずっと守っていきたい!そう思うのは..千聖..お前だけだよ!」
「本気していいの?」
「ああ....で....返事を聞かせて欲しいんだけど.....」
「そんなの....決まってるじゃない....好きだよ....雅樹....」
「良かった....」
雅樹は私を抱き寄せて唇を重ねた。
「ねぇ!遅れちゃったけど....クリスマスプレゼント何がいい?」
「いいよ!そんなの....」
「よくないよ!私だけ....」
「もうもらったから....」
「えっ?」
「短気で....すぐに怒ったりするし....少し抜けててドジな所もあるけど....とっても可愛い彼女が出来たんだ....これ以上何もいらないよ!」
「雅樹....」
私達は再びキスをした。

私は雅樹の彼女になれた!

"ちぃちゃん"に勝った!初めから勝っていたんだ!なんて言ったら、調子に乗るな!って雅樹に怒られちゃうかな?

私は雅樹の腕を掴みながら、雅樹の彼女になれた喜びに浸っていた。



この後、私は携帯とカギを忘れて家に入れず雅樹を呆れさせた。それからうなだれている私を部屋に泊めてくれて、私の両親の期待通り?の展開になっていくのだが、それはまた別のお話しです....
それではこの辺で......


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