投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

僕の魔王討伐史
【コメディ 官能小説】

僕の魔王討伐史の最初へ 僕の魔王討伐史 24 僕の魔王討伐史 26 僕の魔王討伐史の最後へ

魔王討伐史-25

 テンションをあげて、僕のチンコを握る魔物。どうやら僕は本当に限界まで精液を搾り
取られてしまうようだ。
「チンポ。美味しいチンポに精子……♪」
「……おい、何をしているんだ?」
「私達がちょっと勇者様から離れている間に面倒なことが起きているようですね」
「わたし達の勇ちゃんに手を出すだなんて、極刑モノだよね〜」
「み、みんな……」
 三人が水浴びから戻ってきた。これでこの魔物からは逃れられる。そう思うのに、何故
だろう……この微妙な違和感は。
「ん? 勇者……? この素敵チンポの男の子が勇者なの?」
「そうです! 大きくて固くて精子の量も多い素敵なおチンポを持っている彼は、魔王を
倒す勇者様なんですよ!」
 ふふんと、胸を張って僕の自慢をする僧侶さん。だけど自慢の方向が少々おかしい。
 基本的に褒めているところって、全部チンコ関係じゃないか。僕自身、自分には何も特
技も魅力もないと思っているけど、せめて何か他にも褒める場所があるんじゃないかな?
「へぇ……この子がねぇ……」
 魔物が何やら値踏みをするかのように僕をジロジロと見る。
「あ、あの……」
「あんたが勇者っていうのなら、あのチンポの具合も納得だわ」
 ニヤリとイヤな笑みを浮かべる魔物。もしかしてここで僕を殺そうとしてくるんじゃ……
 い、いや、仮にそうだとしても、今は戦士さん僧侶さん魔法使いさんが居るから大丈夫なはず。
 何も危険なことなんて――
「おっと、お前が何を考えてるのかは知らないが、あたし達の勇者に勝手に手を出した以
上、素直に帰れると思うなよ」
「ふーん、それはどういうこと?」
「非常に簡単なことですよ」
「勇ちゃんの精子を勝手に取っちゃうような奴には死んでもらうだけだよっ!」
 一瞬にして戦闘態勢に移る三人。この淀みない動きはさすがだよ。
「塵も残さず殺してやる♪」
「ええ。勇者様に手を出したことを後悔しながら死んでもらいます♪」
「ですとろーい♪」
 満面の笑みで魔物に襲い掛かる三人。これではどちらが魔物なのか分からない感じだ。
「よっと。そう簡単に殺されてたまるもんですか」
 三人の攻撃をヒラヒラと見事にかわしていく魔物。あの三人の攻撃を避けていくって、
もしかしてこの魔物。かなり強い?
 今までの魔物は本当に一瞬で倒されてたし、それを考えるとこうやって避け続けている
この魔物はかなり強い部類だ。
 ないとは思いたいけど、まさかあの三人が倒されてしまう、なんてことはないよね?
 三人が倒されてしまったら、僕なんて瞬きをする間に殺されてしまう。
「この! クソッ! ちょこまかと避けやがって。大人しく殺されてろよ!」
「嫌に決まってんでしょ。殺されたら、この子の精子を食べられなくなっちゃうじゃない♪」
 恐ろしいほどの余裕で僕のところにきて、軽くキスをして再び三人の攻撃から逃げる。
「ゆ、勇者様にキスをするだなんて! 許しません。あの唇は私のモノなのですから!」
「そんなの関係ないね。アタシは魔物だから欲しいモノは無理やり奪うのさ」
「むき――っ!」
 僧侶さんが悔しそうな声をあげながら魔物を追いかける。
「ん〜ちょっと拙いかも〜」
「え……?」
「あの魔物、なかなか強いよぉ〜。勝てないわけじゃないけど、ちょっと苦戦するかも〜」
 オットリとした口調ながらも微かに焦っている様子の魔法使いさん。
 えっ、ちょ……これってまさかのピンチってことなんじゃないんですか!?
 拙いよ。僕達の冒険はここで終わってしまうの!?
 焦る僕をよそに余裕の笑みを浮かべる魔物。
「ふふっ♪ 別に焦る必要も怯える必要もないわよ。今日は誰も殺すつもりなんてないから。
 元々、趣味じゃないっていうのもあるけど今日のアタシは美味しい精子を食べて気分がいいからね。
 面倒な奴らの相手なんかしないんだよーだ♪」
 べー、と舌を出して空へと旅立つ魔物。空に浮かれてしまっては手出しが難しくなってしまう。
「――チッ、逃がしたか」
「追いかけられないこともないですけど、少し厳しいですか」
「う〜ん、あまり派手なことはしたくないしね〜」
 一様に残念がるが、僕は内心ホッとしていた。あの魔物が逃げてくれたおかげで、誰も
傷つかずに済んだのだから。もし、あのまま戦っていたら誰かが怪我をしていただろう。
 怪我の程度は分からないけど、無傷で勝つのは無理な相手だと思った。だからあの魔物
が逃げてくれて本当にありがたい。
「あの魔物……今度会ったら、絶対に許しませんよ」
「そだね〜。次はお仕置きも兼ねて倒したいね〜」
「まったくだ。敵を逃がすだなんて恥以外の何物でもないな」
 あはは……この人達はヤル気満々だよ。
「まぁ、あの魔物も許せないけど、もう一つ許せないことがあるよね〜」
「ん? 何ですかそれは」
 魔物を逃がしたこと以外に許せないことってなんだろ? 特に想像がつかないんだけど。
「あらら? 勇者様はまったくと言っていいほど、自覚がないのですか?」
「えっ!? ぼ、僕っ!?」
 僕について許せないことがあるってこと!? な、何だろ? 僕、この三人に何か失礼
なことをしたかな?


僕の魔王討伐史の最初へ 僕の魔王討伐史 24 僕の魔王討伐史 26 僕の魔王討伐史の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前