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僕の魔王討伐史
【コメディ 官能小説】

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魔王討伐史-26

 頭をフル回転させて自分の今までの行動を振り返るが、特にこれといったことは出てこない。
 ほんとに、僕の何が許せないっていうんだ?
「なぁ勇者。お前の精子はあたし達のモノだよな?」
「え、えっと……」
 個人的にはソレは違うと声を大にして言いたい。でも残念ながら僕にそんな度胸がある
はずもなく……
「そ、そう……ですね」
 こう答えるのが精一杯だった。
「そう。お前の精子はあたし達のモノのはずなのに……」
「他の女に――しかも魔物の中に出すとは何事ですか!」
「うんうん。魔物に出したせいでわたし達の分がなくなっちゃったよ〜。せっかく、皆で
勇ちゃんと色々なプレイをしようねって言ってたのに〜」
 僕のいないところでそんな話し合いがされていたとは酷すぎるよ。毎度のことながら、
せめて僕に了承を取ろうって気概はないのだろうか?
 …………あるわけないか。
「ほんっと勇者様はなんてことをしてくれるのですか! 勇者様が無駄に精子を消費する
から私達が欲求不満になってしまうじゃないですか!」
「えぇー」
「びゅびゅるの濃い精液が薄くなっちゃってるよ〜」
「ああ。それに量も減っているんだぜ」
「「「うわー」」」
 同じような反応で三人が落ち込み始める。まさか三人がこんなにも僕とのセックスを楽
しみにしていたとは驚きだ。
 本来ならお詫びとしてセックスに付き合ってあげたいけど、魔物とのセックスで残念な
がら僕の精子は空……とはではいかないけど、出せて一、二回だ。これでは三人が満足するはずがない。
「す、すいません」
「……反省していますか?」
「はい。物凄く反省しています」
 反省はしているけど、言い訳をしていいのならあそこで魔物とセックスをしなかったら
僕の命が危なかったんですよ。あれは故意でセックスをしたのではなく、一種の戦いだったんだ。
 僕が出来る謎の戦いだったんだよ。
「しかたないな。今日は大人しく寝るとするか。だが、次の町に着いた時は覚悟しろよ?」
「……はい」
 諦めて、大人しく皆さんに精子を出したいと思います。
「う〜ん。玩具を使えなかったのは残念だね〜?」
 玩具だけは勘弁してくださいよ。マジで。
 ――こうして三人に怒られながらも初めての外での夜が更けていく。

 次の町を目指しての道のり。どうせ今回も道程はカットされるんで――
「あ、あれ? まだ次の町に着いてない!?」
 ど、どういうことだ!? 何でまだ森の中に居るの!?
「ふっふっふっ……勇者様が毎度毎度、道程をカットするなと文句を言っていましたから
今回はカットせずに進みますよ」
「そ、そうなんですか……」
 何で今回に限ってなんだ? もしかしてまだ昨日のことを怒っているから? 三人の許
可なく――と、いうより三人が求める精子を他の相手に使ったせいで、昨日は奉仕が出来
なかったことをまだ怒っているのか?
 いや、確かに道程を描かれるのは嬉しいんだけど、今更というのが怖い。散々カットし
てきて今更カットしないなんてこれは――
「まぁ、俗に言う何かのフラグかな〜? きっと、何か面白いことが起きるんだよ〜♪」
 そうとしか考えられない。誰にとっての不幸が起きるかは分からないけど、この森の中
で何かが起きるということだよね!?
 まぁ、こういうのは大体僕に降りかかってくるんだけどね。
「せっかく活躍出来るかもしれないんだから、もう少しシャキッとしろよな」
「あ、はい!」
 そ、そうだ。何が起きるかは分からないけど、ポジティブに考えるなら僕の活躍を見せ
るチャンスでもあるんだよね。
 よ、よし。頑張るぞ!
「おぉ〜。いきなり凄いのが出てきたね〜♪」
「は……?」
 いきなり目の前に現れたのは植物のツルをうねうねとさせている魔物だった。
「これは……ここら辺ではかなり強力な魔物ですね」
「これはこれは、拙いかもな……」
 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!? ちょっ、何でこんな時に限って
こういう魔物が出るの!? こういう時はもっと弱そうな魔物が出るもんでしょ!
 何でこんな大きな……しかも、三人共口を揃えて強そうだなんて言うの!? いつもみ
たいに余裕で倒せるとか言ってよ!
「ん〜戦士ちゃんに僧侶ちゃん。どうする? これはなかなかにオイシイ相手だと思うけど〜?」
「確かに悪くはなさそうなんだが……」
「やはり、こういうのは少し怖いと言いますか……」
 何やら三人でコソコソと相談ことをしている。あれかな? あの魔物を倒す算段でもしているのかな?
「大丈夫だって〜。女は度胸だよ〜♪」
「そう言われると弱いな」
「もう……あなたに付き合うのは今回だけですよ?」
「あはは〜でも案外癖になっちゃうかもよ〜?」
 話が纏まったようで武器を構えて魔物に突撃をしていく。
「「「おー」」」
 しかし何故だろう。妙に掛け声にやる気を感じないんだけど。声が適当と言うか、棒読
みに近い感じで魔物へと突っ込んでいっている。


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