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生徒はお嬢様
【コメディ 官能小説】

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生徒はお嬢様!?-8

「――――ふぅ。とりあえず今日はこれくらいにして休憩をしようか」
 時間としては一時間ほどしか経っていないが、初日だしこの辺で止めておいた方がいいだろう。
 あまり詰め込みすぎるとパンクしてしまうからな。
「うぅ……頭がパンクしそうですわ……」
 ぐてーと机に倒れこむ撫子。真剣に頭を回転させていたようで、かなり疲れているようだ。
「お疲れさん。今日はよく頑張ったな」
 頭を撫でながら頑張りを褒める。
「ふぁ、ぁ……っ」
 目を細め、気持ちよさそうな声をあげる撫子。なんというか、なるで猫を撫でているか
のような気分になるな。ゴロゴロと喉を鳴らし、気持ちよさそうな顔をしていると。
「よし。そろそろ帰るとするか」
 もう少し撫でていたい気分だったが、あまり撫でているとおかしな気分になりそうだしな。
 ここら辺で切り上げておいた方がいいだろう。
「え……っ、もう帰るんですか?」
「ああ。初めから色々と詰め込んでも意味がないからな」
 ――と、いうか俺がこの空間に慣れないのかな? 豪華でいかにも女の子ですって感じ
の撫子の部屋。こんな部屋に長時間居ると疲れそうだ。
 俺自身を慣らすという意味でも、今日はこの辺にしておいた方が賢明だろう。
 バタバタと帰る準備を始めるが――
「彼方さん」
「何だ?」
「今日のご褒美、まだ貰ってませんわ」
 少ししか勉強をしていないというのに、ご褒美を強請るとはなかなかに我儘じゃないか。
「褒美はさっきやっただろ?」
 頭を撫でるというご褒美を。今日はあれで満足をして欲しいね。キスだなんて大きな褒
美はもう少し頑張らないとあげられないだろ。
「あれはわたくしの提示したご褒美ではありませんわ。わたくしはキスを求めたはずですわ」
「さっきのは不満なのか?」
「あれはあれでよいもので――って、そうではなくて、彼方さん。わたくしは約束を破る
男性は嫌いですわよ?」
 色々と文句を言ってやりたいが、なんというか――
「む〜〜〜〜っ」
 ぷくっと頬を膨らませ、俺の前に立つなんて妙に可愛らしいことをされると、何も言え
なくなってしまうじゃないか。
 仕方ない。キスをしてやるか……当初の予定通り、頬に。
「分かったよ。キスをしてやればいいんだろ?」
「はい! はい……キスをしてくださいな♪」
 まったく、嬉しそうな顔をして……そんなにも俺にキスをして欲しいのかね? 女の考
えることはいまいち分からんな。
「じゃ、やるぞ」
「はい、お願いしますわ♪」
 瞳を閉じて唇を気持ち尖らせる撫子。俺はそんな撫子の唇を避けて頬にキスをした。
「――ん、これでいいだろ?」
「え、え……? い、今のは……?」
「だからキスだろ? 撫子の要求通りキスをしたわけだが?」
 コイツとしては唇にキスをされると思っていたのだろうが……実際、唇を気持ち尖らせ
前に突き出していたからな。だが、俺も撫子もキスとは言ったが、唇にするとは一言も言
ってはいない。


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