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生徒はお嬢様
【コメディ 官能小説】

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生徒はお嬢様!?-7

 互いに出会ったばかりだし、何より撫子はあのオッサンの娘だし……もし、キスをした
ことがオッサンにバレたりなんかした日には――

『HAHAHAHAHA! 私の娘に手を出したな。では約束通り覚悟を決めてもらおうか!』
『あ、いや……これは勉強のご褒美であって――』
『男のくせに言い訳なんかするんじゃないぞ。私は言い訳をする男は嫌いだ』
『お、俺の話を――』
『おいおい青年。あまり我儘を言うと海に沈めるぞ?』
『ごめんなさい』

 ――なんてことになりかねん。そんな恐ろしい現実だけは回避しなければならない。
「き、キス以外に何か欲しいモノはないのか?」
 ほら、年頃の女の子なんだしあの服が欲しいとか、あの化粧品が欲しいとかあるだろ?
「日用品などは間に合っていますので」
「…………」
 さすが大金持ちの娘。普通に服や化粧品などの道具は当たり前のように揃っているか。
 この調子では他の年頃の女の子が欲しがりそうなモノも持ってそうだな。
「彼方さん。わたくしはあなた様のキスが欲しいのですけど」
「し、しかしだな……」
 勉強の対価がキスというのは……
「彼方さん。あなた様は言いましたわよね? 先ほどの言葉に嘘偽りはないと」
「確かに言ったが、あれは俺の出来る範囲での話しだ! これはさすがに――」
「出来ないと申しますの? 彼方さんは女性にキスの一つも出来ないのですか?」
 見下すような挑発するかのような眼差し。ここは抑える場面なのだろうが、残念ながら
俺にはそれは出来そうにないようだ。
 完全な挑発だというのも理解出来ているのに――
「ああ、いいだろう。褒美にキスでも何でもしてやろうじゃねぇか」
「まぁ♪」
「その代わり、ビシビシ指導していくからな!」
「はい、よろしくお願いしますわ♪」
 
 こうして始まった俺と撫子の教え子と教師という関係。かなり前途多難でえはあるが、
とにかく前に進むしかないな。
 あぁ、教授の顔に泥を塗らないためにも確実に家庭教師をこなしてやるよ。
「――っと、そこ違うからな」
「――った!? 間違うごとに頭を叩くのは止めてくださいな」
「これくらいしないと覚えないだろ。それに褒美が欲しいならきちんと頑張れよ」
「わ、分かりましたわ……」
 頭をさすりながら再び問題とにらめっこをする撫子。こうして一生懸命、勉強をしてい
る姿は可愛らしいんだけど……
 それにしても、何でコイツはそんなにも俺にキスをしてもらいたいのかね? 正直な話、
今日が初対面だというのにどういうつもりなのだろうか? 一目惚れだとか、そういうの
も違うような気がするし……もしかして金持ち界隈ではキスをするのは当たり前だったりするのか!?
「……彼方さん。ここはどうしたらよいのでしょう?」
「ん……あぁ、これはな――」
 まぁ、コイツの心理は俺には分からないが、約束をしてしまった以上はやるしかないよな。
 あそこまで挑発され、それに乗った以上逃げるだなんて選択肢はない。
 それにキスくらいなら軽く頬にすれば済むだろうしな。


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