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生徒はお嬢様
【コメディ 官能小説】

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生徒はお嬢様!?-21

 実際は眠っていなかったようだが、あの段階では眠っていると思っていたんだ。
「わたくしの言いたいこと理解できますか?」
「現状ではまったく予想出来ません」
 本当は、なんとなく想像出来るのだが分からない振りをしておこう。そして、何故だか
さっきから自然と敬語で会話をしてしまう。
 これが九条家のプレッシャーというやつなのだろうか。
「彼方さんほどの聡明な方でしたら、分かると思ったのですけどね」
「は、はは……買い被りですよ」
 こ、恐い。撫子の笑みが非常に恐いのだが!
「彼方さんが分からないのでしたら、わたくしが直接教えてあげますわ」
 ジリジリと顔を近づけてくる撫子。
「彼方さんのおちんぽ……わたくしにくださいませ」
 顔を近づけてきた撫子は俺の耳元で、そっと囁いた。
「それはまさか――」
「ええ。エッチをしましょう。まさか断るだなんて言いませんわよね?」
「…………」
 本来なら間髪入れず断るのだが、撫子の尻を好き勝手弄った手前、断るだなんて選択肢
は俺には用意されていない。
 ただ大人しく頷くことしか俺には出来なかった。

「うふふ、彼方さんとエッチが出来るのですね……♪」
 嬉しそうに微笑む撫子。さすがに俺も覚悟を決めたのだが、どうしても一つだけ撫子に
聞いておきたいことがあった。
「撫子。一ついいか?」
「今更、止めるなんて言うのは無しですわよ?」
「それはもう諦めたから。つーか、何でそこまで俺を気に入っているのか聞きたいだけだよ」
 俺とお前は会って二日目だぞ、二日目。自分で言ってて悲しくなるが、俺のとり得なん
て勉強が出来ることくらいだ。そんな人間をすぐに気に入るか?
 いや、撫子の場合。会う前から俺のことを気に入っている節があったな。
「彼方さんのことはお父様からも、その友人の方からも詳しく聞いていましたからね。そ
れに一目惚れをするのはおかしなことでしょうか?」
「そういうわけじゃないが……」
「なら、いいじゃないですか。それに、そんなこととは関係なく彼方さんはわたくしに好
意を抱いてくれている。そう思ってましたが違いますか?」
「……違わないな」
 撫子の言う通り、俺は撫子に好意を抱きつつある。それ以前に撫子の身体の虜にはなっ
ているかもしれないがな。
「お互い好きあっているのなら問題ありませんわ。好きな人とエッチなことをするのは人
間の当たり前の感情なのですから」
 まるで、撫子の方が教師みたいな錯角を覚える。生徒に説き伏せられる教師って情けないな。
「ですから彼方さん。わたくしとエッチをしましょう」
「……ああ」
 すでに覚悟を決めた身だ。今更引くつもりはない。やってしまった後のことを考えると
足が少し震えるが、あのオッサンも最初に手を出してもいいとは言ってたしな。
 据え膳喰わぬは――ってやつだ。
「後悔、しても知らないぞ」
「後悔なんてしませんわ。ですので、キスからお願いしますわ」
 撫子の注文に応えるように唇を塞ぐ。



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