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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-3




言われた意味がすぐに理解出来ずフリーズしてしまった瑞稀だが、少し顔が赤くなっている拓斗の顔と、頭に響いた言葉を照らし合わせた。
そして、自分が言われた言葉の意味を理解した。段々と顔に熱が集まってきた。

「え、え、えぇぇ!!???」

空港中に響いたんじゃないかというくらい大きな驚きの声を出し、顔を真っ赤にさせた瑞稀に、拓斗は不満げな顔をした。文句を言い出した声は、恥ずかしさが残っていていつもより大きくなる。

「な、何だよ・・俺が、好きだろ?」
「いや、そりゃ好きだけど!」

まさか、こんな事を言われると思っていなかった瑞稀は展開についていけず思わずその文句に同じ位の声で言い返す。
なんとか、“いきなり過ぎだ”という言葉は飲み込んだ。
拓斗の顔を見ると、こちらも段々恥ずかしくなったのか先ほどよりも顔が真っ赤だった。
でも、それでも、瑞稀の返事を望んでいて、じっと瑞稀を見つめている。
瑞稀は展開こそついて行けなかったが、気持ちは同じだった。

「(・・ずっと、一緒に居たい)」
「瑞稀・・?」
「……凄く嬉しい。だから・・約束します。拓斗と、一緒にいること」

最後は、大人っぽい表情でそれでも笑って答えた。
“凄く嬉しい”。瑞稀の心からの本音。
笑顔に一瞬見惚れた拓斗は、そう言ってくれた人を笑顔で抱き寄せた。
嬉しさで、思わず腕に力がこもる。

「良かった・・。迎え、行くから」
「・・うん、待ってる。あ、でも無茶とかしないでね!?」
「分かった。」

相変わらず、人の事を想う瑞稀に笑いながらも了解の旨を伝えて、抱きしめる両腕にさらに力を込めた。
腕の中で温もりを感じながら、瑞稀は今までに出会った人たちを思い浮かべた。
その人たちは・・キリがない位いっぱい居た。
教師、同級生、友達、仲間、親友、家族・・。
その人たち全員に、瑞稀は感謝した。
“自分と出会ってくれて、ありがとう”と・・。

すると、空港に居た人々から瑞稀たちに向かって盛大な拍手が起こった。
日本人から外人・・、小さな子からお年寄りまで・・。
皆、笑顔で祝福してくれていた。
拍手を貰った二人はどうしていいか分からず、顔を真っ赤にさせた。
そんな中、拓斗は瑞稀を引き寄せ、キスをした。
瑞稀は一瞬驚いたが、すぐ小さく笑うと目を閉じ、唇を受け止めた。
そして、背中に回したままだった両手を拓斗の首に回した。

今度は拍手と共に、歓声も起こった。
売店に居た恵梨も、笑顔で親友たちに拍手を送っていた。

そんな人々の祝福のなかで、瑞稀は感謝でいっぱいの心と、
これからも最愛の人と共に歩ける喜びを味わっていた。

「(ありがとう・・皆。・・大好き)」





             END


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