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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-6



家族に見送られ、瑞稀はとうとう成田空港に着いた。
トランクケースを預け、トランペットケースを肩から下げたまま、ソファに座っていた。
搭乗手続きを、そろそろしなければならない。
瑞稀は上着のポケットに入っていた青いケータイを取り出した。

カチカチと操作して、画面に出すのはメール画面。
未送信ボックスに入れておいたメールを出した。
それは昨日、あらかじめ瑞稀が今日送る為に作っておいたモノだった。
悲しそうな顔をしながら、じっと見つめる。

そのときに、遠くから走ってくる音が聞こえた瑞稀は送信ボタンを躊躇いなく押した。
走ってくる音が自分の近くで止まり、隣に買ったばかりのキャンディを手にした恵梨が戻ってきたとき、画面に“送信完了しました”という文字が出たのを確認して電源を切った。

「瑞稀、ゴメン。遅くなって」
「ううん、まだ大丈夫」
「コレ。瑞稀の好きなオレンジキャンディ。喉、痛めちゃダメだよ?」
「アハハ、ありがとー」

恵梨からキャンディを受け取った瑞稀は大事にトランペットケースの小さいポケットに入れた。そして立ち上がった瑞稀は、今手にしているケータイを恵梨に差し出した。

「え?」
「恵梨。コレ・・預かってて欲しいんだ」
「え、でも、コレ!」
「・・コレ、お兄ちゃんのお古で海外対応してないんだ。だから、持ってても意味ないし」
「じゃあ、どうやって連絡・・!」

恵梨は自分や家族とどう連絡を取るのか不安になって、思わず口から出た。
勿論、あの人のことも頭にある。
瑞稀は、その問いを手で遮った。分かっているのだろう。



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