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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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純血-4

 ジッパーと衣類を引き下げ、張り詰めたそれにアズール本人の唾液で濡れた指先を伝わせる。

ひゅ、と息を吸い込んだアズールの顔をノアは目を離さずに眺めていた。

「君は本当に我慢強いね。そんなところが堪らなく好きだよ、ダーリン」

僅かに眉をしかめた表情に妖艶な笑みを向けたまま、ノアはそそり勃つその先端に親指を突き立て言った。

ただの愛撫ならば苦痛でしかない行為も、巡るノアの体液によって痛みともまた違う激しい興奮へと脳が勝手に変換してしまう。

「ほらアズール、もっと顔を歪ませて。俺にヨガって見せてよ」

「・・・・っう、・・・」

亀頭の筋を親指がぐいぐいと抉ってくる。

根本から搾るようにバラバラと動く指先と包み込む掌の感触に頭の芯までもがジンと痺れた。

搾り出され溢れた先走りがチュクと音を立て親指を滑らせれば、それをきっかけにノアはきつく握り締め一気にそれを扱き上げる。

強い圧迫感と熱い摩擦で強制的に絶頂へ追い込まれていくアズールは、低い呻き声を奥歯で噛み殺した。

「そう、その顔が見たくて来たんだ」

突然、根本をギュッと握り動きを止めたノアは、アズールを見下ろして大袈裟な身震いをする。

顔色こそ変わらないし、それほど呼吸も乱れていない。どんなに神経を荒らそうが、身体を締め付けようが、決して彼は溺れない。

しかしこの瞬間、確かに色濃く浮かび上がるのは、蔑むような暗い瞳と欲を湛える・・――扇情的な表情。

意図せず現れるこの顔は、こうして絶頂の寸前、ギリギリまで追い込まなければ見ることは出来ない。

ノアはこの瞬間が何より好きだった。


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