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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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純血-3

 握った拳に嫌な汗が滲んだ。

いくら強力なノアの体液が内側で増殖しようとも、それだけならば決して抵抗出来ない訳ではなかった。

耳朶に鼻先を擦り寄せ話していたノアは、そのまま拘束の術をアズールに仕掛けたのだ。

それはアズールがシウに施したような軽いものではなく、縛導という名の肉に食い込んで離れない強靭な緊縛の術。

魔術師としてランクが上であるノアの術をアズールが破るのは不可能に近い。

「・・・・っ」

それをもってもギチギチと間接を動かして抵抗しようとするアズールに、ノアは細く長い指を口内に滑り込ませた。

そうして、爪の先でアズールの痺れた舌を掻き回し言葉すらも奪う。

「これだけ麻痺したらちゃんと詠唱も出来ないよね」

呪文を唱えることも制圧され解毒する手段もなくしたアズールに最早打つ手はなくなった。

「それにしてもアズール?今日は随分あっさり捕まってくれたんだね。いつもならもう少し粘るのに」

「・・・・っ」

「よく眠っていたから起こすのに戸惑ったよ」

クスクスと喉を鳴らしてノアは雄弁を綴り、ちらりと肌の覗く襟元に手を差し入れる。

ローブを剥ぎ取りシャツのボタンを一つ一つ外していくと、はだけたシャツの中から薄いがしっかりと筋肉の整った胸板が露になった。

ノアはそれを熱を孕んだ瞳でなぞり、次にはベルトに指を掛ける。


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