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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-9



「ただいまー」

恵梨と別れたあと、瑞稀は自転車を漕いで家に到着した。
部活の後に自転車を漕ぐのにまだ慣れていない為にものすごく疲れを感じていた瑞稀を出迎えたのは叔父だった。

「お帰り。オヤジたち寝ちまったから」
「あー、もう7時半すぎてんもんね。しょーがない。」
「夕飯、お前の好きな奴作っといたから」
「本当!?やった!」

さっきまで感じていた自転車での疲れは吹っ飛ぶ程喜んだ瑞稀を見た叔父は小さく笑った。一緒に、リビングまで行くと制服を着替えるよう言った。
早くご飯を食べたい瑞稀は急いで自分の部屋に行くとTシャツに短パンというラフな格好で戻ってくる。リビングの自分の椅子にかかっていたパーカーを着て、椅子に大人しく座っていると、叔父が中くらいの皿を持って、瑞稀の目の前に差し出した。

「ん、瑞稀の好きなバジルパスタ。」
「やったあ!!これ大好き!ありがと、お兄ちゃん!」
「いーえ。あ、そうそう、これ」

喜んで、大好物を食べ始めた瑞稀の目の前に、四角い薄い箱を手渡した。それは、PSPのゲームパッケージ。
なんだろう?と視線を送った瞬間、瑞稀は驚いてパスタを詰まらせた。

「ゲホッ!」
「お、おい!ほら、水!」

叔父は慌てて、置いておいたコップの水を差し出した。瑞稀はそれをゆっくり飲んで、落ち着かせた。飲みきると、瑞稀はゲームパッケージを手にとった。

「これ、最新作のテイ○ズ!!」
「お前、欲しがってたろ。入学祝い。」
「・・わあ!ありがとう!お兄ちゃん!」

満面の笑顔でお礼を言う瑞稀を見て、叔父は少し安心した。
卒業式が終わって以降、ずっと元気がなかった瑞稀を心配していたが、問い詰めることもできないのでどうしようもなかった。
そこで、少しでも笑ってもらおうと、この入学祝いを思いついた・・というのは叔父のみぞ知る秘密。
そんなことに気付かない瑞稀は早速、お風呂に入ったあとにやろうとウキウキしていた。


それは・・いつも早く寝る瑞稀が珍しく日付が変わるころまで続いた。
おかげで、寝不足になってしまった。
が、どうしてもゲームの続きが気になる瑞稀はゲームの誘惑に負けて、先生が来るまでの朝の時間と昼休みに進めようと思い立ち、PSPを持ってきてしまった。
一番後ろの席だから特に気づかれはしないのが唯一の救いだが。

「・・・・・・・」

一人カチャカチャとゲームをしていると、自分の机に人影が写った。
ゲームを一時中断して、イヤホンを外して顔を上げるとそこには恵梨が立っていた。

「おはよう、瑞稀ちゃん。・・朝からやってんねー」
「おはよ・・、恵梨ちゃん。どうしても、この続き気になっちゃって・・」
「どれー?」

そう言って、恵梨に画面を差し出した。すると、すぐに恵梨は顔を、バッと上げた。
近い距離で、瑞稀に詰め寄った。

「これ、最新作のテイ○ズじゃない!?」
「え、知ってるの!?」
「勿論!テイ○ズシリーズ大好きだもん!ア○スとかハー○持ってるよ!」
「本当!?」



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