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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-2



中学の入学式は、高校の入学式と同時に行われる為に少し時間がかかっていた。
もうすでに眠気に負けそうな瑞稀は長い校長先生の激励の話を聞き流していた。
正確に言うと、聞いてすらいない。
なんども、首がかくんかくんと揺れている為に傍から見ても寝ていることはバレバレだった。

「・・・・」

とうとう、瑞稀は眠気に負け、重力に逆らわずそのまま横に頭を預けた。
ひとクラスずつ、出席番号順で10人ずつ縦に並んでいたので、必然的に自分のクラスメイトに寄り掛かることになるのだが。

「・・・すぅ・・・すぅ・・」

隣に座っていた生徒は、いきなり寄りかかってきた瑞稀に驚いたが先ほどから首が上下に揺れていたことに気づいていたのですぐに気持ちを落ち着けた。
気持ちよさそうに寝息を立てる瑞稀を見た、ポニーテールの少女は起こすこともせずにそのまま校長先生の話を聴き続けた。

「新入生起立!!」

校長先生が壇上を降りると、司会進行を勤めている先生から起立という言葉がかかり、新入生がガタガタと席を立つ。
ポニーテールの少女は、瑞稀が起きないことに溜息をついた。
仕方ないなと言わんばかりに、瑞稀の肩を揺すって起こす。
まだ浅い眠りだった瑞稀は簡単に起きた。慌てて辺りを見回して自分を席を立って皆に習って礼をする。
司会の先生から着席の声がかかり、席に座った瑞稀は隣の少女に謝罪とお礼を言おうとしたのだが、すぐに新入生の演説が始まってしまって、言うタイミングを逃してしまった。

「(・・あとで、ちゃんと言わないとな・・)」

軽く溜息をついた瑞稀は今度こそは眠らないように意識を保ち続けた。


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