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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼〉-9

「え?娘さんて高校生なんですか?私も高校生ですよ」


どうにか一枚、布団を引きずり出し、また梨沙子は押し入れに上半身を突っ込んだ。


『君は随分と幼く見えるね……それに、うちの娘と違って優しいね……名前はなんて言うんだ?』

「優しいなんて、そんな……名前は…佐藤です。娘さんの名前は?」

『………』


沈黙……静まり返る家に、ガタガタと鳴る押し入れの戸と、布団を出そうと頑張る梨沙子の吐息が響く。


『…………下の名前を聞いたんだよ………』

「!!!!」


その声は玄関からではなく、梨沙子の直ぐ後ろからだった。
振り向いた梨沙子の瞳が見たものは、あの男性が目を血走らせ、白いタオルを握りしめている姿……今頃になって身の危険を知って、慌てふためく梨沙子の視界は、強引に押し付けてくるタオルに遮られた。


「ん"ぶうぅぅぅ!!!」

『か、可愛くて優しくて…君はイイ娘だ……アハハハ!』


梨沙子は必死に男性の前髪を掴み、有らん限りの力で引っ張った……突然の危機に抗う少女の抵抗……だが、狭い押し入れの中、成人男性にのしかかられては、それも空しいだけだ。


(……助け……嫌………)

『ふへ…へへへ……』


不気味な笑顔に見つめられながら、梨沙子は瞳を閉ざした……。




――――――――――――



(……あれ?……私…寝ちゃってた……?)


意識が朦朧とし、時間の感覚が狂っている……胸元の開いたワンピースを選んで、自転車に乗って……現実か夢か分からないまま、梨沙子は目を開けた……何故か部屋は真っ暗なままだ。


(え…!?……えぇ?…身体……おかしい……?)


視界が開けた……そこには、雨漏りで出来たような染みと、カビに汚れた天井が見えた……それだけでは無い……腕も脚も、窮屈な感覚のまま微動だにしない……。


(どこ…!?……ここ何処なの……?)


見回すと、そこは六畳くらいのゴミだらけの汚い部屋で、茶色く変色した壁紙の一面に、アイドルのポスターやカレンダーが飾られていた。
メジャーなアイドルのポスターから、全く知らないアイドルのカレンダーまで、あらゆる笑顔が梨沙子を見つめていた。




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