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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼〉-10

「……うぅッ!?…う"〜〜〜ッ!!!」



動かぬ身体の異常な状態が、視界に飛び込んだ。
声を封じる為か、口の中には布らしき物が詰められ、吐き出されないように麻縄が巻き付けられていた。
そして身体には、金具の錆びたモップの柄が梨沙子の膝裏に当てられ、その膝とモップを束ねる麻縄で、両手首までも繋がれていた。

[開脚三角縛り]

柄を挟むように膝を曲げて閂(かんぬき)縛りを施し、股間の開度を決めたら柄に麻縄を巻き付けて固定する。
そして手首を膝の脇に当てて麻縄を巻き付けて、身体の自由を奪う。

縄があまり目立たないので、緊縛愛好家からは敬遠されがちだが、股間を開けたままの緊縛である為、実用的な縛りである。

普通の日常からの急転直下。一気に魔界にでも引きずり込まれた梨沙子は、沸き上がる恐怖と、それから逃れたい焦りの中で足掻いた。


(に、逃げなきゃ……こんな所………)


真一文字に連結された手足は、それぞれが互いに干渉しあい、逃走どころかその場で身を捩る動きにしかならず、朽ちた畳の表面を、ボロボロと削るだけに終始していた。
その捩る動きに合わせてワンピースがズリ上がってしまったが、今の梨沙子にはそれすら直せない……トントンと、誰かが部屋の扉の向こうから歩いてくる音がする……階段を上るような音……その微かに聞こえた息遣いは、聞き覚えのある声だ……。


『あぁ、もう起きたんだ……』

「!!!!」


開いた扉の向こうに立っていたのは、さっき自転車でぶつけたオヤジだった。
優しい瞳で寝転がる梨沙子を見つめているが、先程の襲撃の時の表情は、梨沙子の脳裏に鮮明に焼き付いていた。


(こ…来ないで……来ないでぇ!!)


一歩、また一歩とオヤジは梨沙子の元へと歩みを進めた……血走った目を見開いて襲ってきたオヤジ……この麻縄の意味も、自分に“何がしたい”のかも、梨沙子でなくても理解は容易いだろう……。


「ん"〜〜〜ッ!!!」


オヤジは梨沙子の傍に座ると、すっかり見えるようになったピンク色のパンティーを眺め、兎の耳のように束ねられた髪を掴み、優しく撫でた。
早くも恐怖に支配された梨沙子の瞳は涙で潤み、その怯えた視線はオヤジの視線と絡んだ。


『君は……僕の部屋のポスターのアイドルよりも可愛いねぇ……』


優しく溶けた瞳の中に、確かに狂気が存在している。
オヤジの鼻はヒクヒクと膨らみ、少し開いた唇からは涎が垂れてきていた。



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