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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼〉-8

(どうしよう…時間無いのに……でも、このままじゃ……)


苦しげな呻き声をあげながら這う男性の傍に駆け寄り、家に上がろうとする男性の尻を押して、微力な手伝いをする。
怪我を負わせてしまった引け目から、どうしても置いてはいけなかった。


(何だろ、この臭い……ペットの臭いかな……?)


梨沙子が家に入ると、何処からか異臭が漂ってきた……残飯の腐臭のような、ペットの糞尿のような……床板もデコボコに反り返り、壁もボロボロに崩れている……異様な光景に、梨沙子に不安が過ぎった。



『あ、ありがとう…そこが私の部屋だから、布団を敷いてくれんか?』

「え………?」


梨沙子は少し戸惑った。怪我をさせたとはいえ、そこまでする必要があるのか?
何者か知らぬ男性の家に上がり、部屋に入るなど、危険な行為なのでは?
梨沙子は固い表情のまま、少し後退りした。


『もう少ししたら、娘が帰ってくる……それまで寝てようかと思ってな………こんな汚い家には上がりたくないよね、ごめんね』


男性の悲しげな声と、『もうすぐ娘が来る』の言葉に、梨沙子は家に上がってしまった。

玄関から上がって左側に、男性の指差す部屋がある。
歪んだ家の重い戸を開けて、梨沙子は恐る恐る部屋の中へと入っていった。

擦り切れた畳の敷かれた部屋には、何一つ置かれていなく、締め切られた空気が蒸していた。


「あの…布団が無いですけど……?」


やはり消えぬ不安感に、梨沙子の声は少し震えていた。


『布団は…娘が畳んで押し入れの中に入れたかな……』


押し入れの戸も、やたらと重く、やっとの思いで開けられた。


(もう!パッと敷いて行っちゃお!!)


待ち合わせ時間までは、ここからではギリギリだろう。
焦る梨沙子は押し入れの中に上半身を入れ、重い布団を両手で掴んだ。


『……私の娘は高校なんだが、君は中学生かな?』


玄関の方から、男性の声が聞こえてきた……どこか上擦った声だ。



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