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〈聖辱巡礼〉
【鬼畜 官能小説】

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〈聖辱巡礼〉-4


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数ヶ月後。

寒く辛い冬はとうに過ぎ去り、山々は新緑に萌え、小鳥達は騒がしく青空に鳴いている。

正人は無視を決め込む梨沙子から離れ、友も気晴らしのように大学生の彼氏を代えて、我が世の春を謳歌していた。勿論、梨沙子も友に負けじと魅力的な男子生徒に“素振り”を見せ、他の女子生徒の憤怒の眼光など意にも介さず、これみよがしな態度で見せ付けて歩いていた。
その様はアイドルと言うよりは、男子生徒を統べる女王のような振る舞いに見えた。

そんな一人勝ちの学園に、一人の教師が転任してきた。
先の教師が産休に入り、その補充の為にやって来たのだ。
その教師は背が高く、栗毛色の長髪をポニーテールのように束ねた女の英語教師だった。
クリクリと目は大きく、鼻筋は通り、口元はキリリと引き締まっており、どこか男性のような凛々しさまでも兼ね備えた美しい女性であった。

名前は春日幹恵・25才。

男らしくサバサバした性格で、一ヶ月も経たずに幹恵は生徒の心を掴んでいた。
その美しさは男子生徒のみならず、女子生徒からも親しまれ、尊敬と憧れの感情までも抱かれていた。


『春日先生、私の悩み聞いて下さい』

『私…もうどうしたらいいのか……』


授業が終われば、幹恵の周りには女子生徒で溢れ、色々な悩みを打ち明けていく。
勉強の事、進路の事、そして一番多かったのが恋愛の相談だった。
姐御肌の幹恵は親身になって応え、一人一人の相談に向き合ってくれていた。
実の姉、いや、それ以上に頼れる存在の幹恵……だがそれは、一部の生徒を除いての話だ……。


「おはようございます」


朝、職員室前の廊下で梨沙子は幹恵と擦れ違った。
当然のように梨沙子は挨拶をしたのだが、幹恵はチラリとも視線を送らずに、無言のままで職員室へと入っていってしまった。


(あれ?聞こえなかったかな…?)


次の日も、また次の日も梨沙子は会う度に挨拶をするのだが、幹恵は一度足りとも挨拶を返す事はなかった。しかも、その表情は面倒臭いとでも言いたげに、不機嫌そうに口元を歪めていた。


「友……幹恵先生ってどう思う?」

『イイ先生だよ。それがどうしたの?』


空が夕焼けに赤く染まる。少し季節は進み、衣更えの季節になり、Yシャツとスカートだけのシンプルな制服姿へと変わった二人が、並んで校門から出て行った。
楽しそうな友とは打って変わり、梨沙子の表情は曇っていた。


「私にだけ口利いてくれないみたい……他の生徒には話してるのに……」


真剣に悩んでいるようなのに、友はそれ程には受け止めてる様子はない。
友は幹恵と会話もあったし、好きなアーティストのCDの貸し借りもしていた。
とても幹恵がそんな態度を取るとは思えなかったのだ。



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