狂宴-10
「そういや、お前ら中出ししてたけど大丈夫なワケ?」
ああ、その事。
「俺らはお互いに仮の姿だから大丈夫。逆に神様と人間とか、妖怪と人間ならこの姿でも出来るけどな」
俺と薫子が子供作ろうと思ったら本来の姿で……犬と猿か……難しいよな……。
4人とも同じ事を想像したらしく、思わず吹き出した。
「ははっ、お前らは?ゴム?」
ひとしきり笑った後、俺は薫子の肩に愛撫しながら今村に聞く。
「まあな。今、出来たら困るし」
「いつか欲しいね」
間髪入れずに言った加藤の言葉に今村は真っ赤になった。
「え?嫌?」
無言になった今村に、加藤は顔を曇らせる。
「ちょ……この…馬鹿」
傷ついた表情の加藤に今村はオタオタと言い訳をしようとして、慌てて加藤を抱いて耳元で囁いた。
「欲しいに決まってるだろ?だけど……ここじゃちょっと……」
2人きりの時に話したい、と言う今村に加藤は嬉しそうに擦り寄る。
今村は囁いてるつもりだろうけど、妖怪と神様の耳をなめちゃいけない。
俺と薫子にはバッチリ聞こえていて、俺らは笑いを噛み殺すのに必死だった。
「イチャイチャ話は置いといてだな……お前らも中出ししてえだろ?」
俺の言葉に今村と加藤は目をパチパチさせて次の言葉を待つ。
「加藤が嫌じゃなければ、妖術で避妊出来るぜ?」
女用の避妊フィルムみたいな感じで、中全体に薄い膜を貼るのだ。
「指突っ込むし、ジワッと熱い感じがするけど……どうする?」
2人は顔を見合わせた後、声を揃えて答えた。
「「お願いします」」
人間の性欲も大したもんだ、と思った瞬間だった。
「あ、ぁう」
「加藤〜?力抜いてくんない?」
そんなワケで、俺らはパートナーを交換してヤル事にした。
初めは躊躇していた今村と加藤だったが、薫子の熱心な説得に折れたのだ。
別にいいけどさ……俺だけじゃ満足出来ないの?
あそこまで大声で『他の雄がいい!』って言わなくてもいいんじゃね?
くそっ、こうなったらこれでもかってくらい加藤鳴かしちゃる。
しっかし……緊張すんのも分かるけど、ガチガチじゃん、加藤。