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私の夏
【青春 恋愛小説】

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失恋-3

 今日からの滞在場所の慶良間諸島は、人気のスキューバーのスポットだ。本島から高速フェリーで大体1時間30分の距離。

 また、船酔いを心配したけど取り越し苦労に終わった。なにせ32時間を乗り越えたんだからね♪

 島に着くと、友人たちはあたしの決意に対してもう何も言わなかった。その事をつつくと反対にあたしが傷つくことを考えてくれたみたい。

 海を越えたことにより、昨日の現実が別次元のモノへと変化した。あたし達は新しく生まれ変わったように、ようやく自分たちのペースで旅行を楽しむことができた。

 青い海、青い空、白い砂浜、ハイビスカス!

 とにかく綺麗。本島でも感動したけど、ここを見ていなかったからだ。砂浜から直ぐ入ったところが、もうシュノーケリングのポイントで、ワザワザスキューバで潜らなくても十分堪能できた。

 何人かの人に声を掛けられて、しばらくおしゃべりに付き合いはしたけど、その後の予定をご一緒にと誘われると、あたしの友人たちは全部断ってくれていた。あたしはもうコリゴリだったので、友だちの配慮に感謝した。

「トモちゃん、あたしのためにお誘いを断ってくれたの?」

「ちゃうちゃう、ロクな男が居らんから断っただけやで」

 あたしがあらためて聞くと、と笑いながら答えてくれた。

「ありがとう」

 あたしは俯いて、絞り出すように言った。


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