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カラスの巣(短編小説)
【熟女/人妻 官能小説】

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第7話 陰と陽一-1

・・・・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・

静かな吐息の音色が、陽一の耳に心地よく響いていた。
玲子は押し殺していたが、密かに潤いと一緒に溢れ出ていた。
その吐息のリズムに合わせるように、陽一は腰つきを刻んだ。
やがて吐息とシンクロすると、陽一のみなぎる自信に変わった。

「あっ・・・あっ・・・あっ・・・・・・」

その陽一の腰つきとセッションするかのように、玲子は悦びの音色を唱えた。
どんなに拒んでいても、玲子の身体は正直だった。
何でも受け入れていた、過去の性癖を恨むしかなかった。
陽一の未熟さ故に経験する、着衣のままの営みに、玲子は虜になっていた。
潤っては締め付けられ、さらに悦びに潤う。
まるで、出口のない迷路の様だった。
その出口の扉を開こうと、玲子は脚を割った。
陽一とベッドを共にしてから、初めて自分から求めた。
その意思表示は、陽一にも伝わり動きが止まった。

「い・・・良いんですよね?」

「・・・・・・」

陽一は素に戻り言葉で確認したが、玲子は横を向きながら放心した目で、手を広げたまま黙っていた。
どうでも良いような、開き直りにも見えた。
拒む事さえ無い意思表示に、陽一は玲子の中で迎える覚悟を決めた。
陽一は立ちあがると、裸に成るべくボクサーパンツに手を掛けた。
ゆっくり脱ぎ始めると、みなぎりに溢れた物が、大の字で寝る玲子の目の前で露わになった。
それは、空腹でよだれを垂らす犬のように、先をも濡らしていた。
そして、よだれを垂らしたその犬は、年増のカラスさえも食べようとしていた。

陽一は、玲子の広げた脚の間に入ると膝を付いた。
玲子は、相変わらず横を向いたままだが、気配に気づいて迎い入れようと両脚の膝を曲げた。
この時、潤うショーツの御開帳を待つかのように、脚の間にスカートが覆い被さった。
陽一は、それが迎い入れる玲子の意思表示と思い、胸を撫で下ろしながらも緊張も走っていた。
迎い入れてもらうには、玲子をも悦ばせなければならなかった。
すでに、寂しさ紛らす人形から、男を求める生身の女へと変わっていたのだ。
陽一は、そのまま両手を広げてベッドに付くと、横を向いて目を瞑る玲子をしばらく眺めていた。
玲子の顔を、間近で見るのは初めてだった。
それは、横顔で目立つ高い鼻が印象的で綺麗な顔立ちだったが、目尻の小じわの数や口元の深いほうれい線が、年増の女を物語っていた。
それでも職業柄、女としての身だしなみは、人一倍気を付けていた
染みや毛穴を隠す濃い目のファンデーションに、年増を隠すまぶたの付けまつ毛と薄いアイシャドウ、さらには、目元の桃色チークが、年増の割には可愛らしくいじらしくも見えた。
そして、厚い唇に塗られた真っ赤なルージュだけが、口下のほくろと一緒に魅惑を演出していた。
その唇に吸い込まれるかのように、陽一は顔を近づけた。
目の前の玲子は、まな板の上の鯉の様に、ただ目を瞑りながら待つしかなかった。
その玲子の顔が近づくにつれて、刻まれたシワの深みが露わになり、50を過ぎた女である事を改めて認識した。
普段は、若々しく見えていたので、まるで母親とも変わらぬような玲子に、躊躇いを隠せずにはいられなかった。
まるで、近親者との道徳でも犯すかように思えていた。
さらに、その刻まれてきた分だけのシワの数が、男をこなしてきた年輪のようで、初めての陽一に躊躇いを募らせていた。
それでも、陽一の身体だけは正直で、みなぎりは反り返るほどになっていた。
若い男が年増の女を相手にするなら、酒の肴の珍味と思えば、玲子なら最高の贅沢にさえ思えていた。
その思いが、陽一をみなぎらせていたのだ。

玲子の意思表示を改めて確認するかのように、陽一は口づけを試みた。
本来なら、先に交わすのが嗜みだが、すでに玲子を汚していた。
勢い任せだったが、懺悔の気持ちもあった。
その審判が下されようと、陽一の思いは赤い絨毯を歩いていたが、すでに鼻先では、玲子の生々しい口臭が漂っていた。
陽一は、玲子を振り向かせようと、手を近づけた。
しかし、この期に及んで、初めてと言う戸惑いがまたもや襲った。
不意に手が止まると、そこは乳房の上だった。
陽一はたまらず、寄り道を決め込むと、そのまま手の平を下ろした。
その手つきは、玲子の乳房を捉えて、柔らかな感触を堪能していた。
着衣の上からでも分かる、温もりもあった。
今までは、陽一を慰める優しい温もりだったが、今は玲子を鳴らすラッパのゴムでしかあり得なかった。


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