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或る恋の物語
【熟女/人妻 官能小説】

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愛すること-3


二人は顔を見合わせ微笑んだ。
私の手がかおりの膝に触れる。

「あん、だめよ、ご主人様・・こんなところで」
「うふ、もう待ちきれなくてね」
「もう・・せっかちなんだから、ご主人様」

熱い二人を乗せたロマンスカーはやがて彼等の目的の駅に着く。
そこは旅行地だけあって、どこか華やいでいた。
改札口を出ると、遠くに山並みが微かに広がっていた。

「やっと着いたね、かおり」
「はい、ご主人様」

二人は、宿泊先を始めから旅館ではなく、ラブホテルに決めていた。
旅館だと、何かと二人だけになる時間が少ないし、
朝まで抱き合い、誰にも邪魔されたくなかったからである。


しかし、ホテルへのチェックインの時間にはまだ大分時間があり、
暫く二人でその辺りを散策することにした。


東京でなく、地方で人の気兼ね無く、腕を組んで歩いていると
本当の夫婦に見えるだろう、そういうのも悪くないと私は思っていた。

初めての、不倫旅行とでも言うのだろうか、それはエッチな響きである。
いつもは東京で昼に会い、夕方頃に別れるのだが、その日は違っていた。
二人には、その日と、次の日までたっぷりと時間はある。

この時こそ、二人が待っていた、時間だった。
これは、神様が愛する二人に与えたご褒美ではないかと、私は思った。
かおりも同じ思いでいるのに違いない。




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