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〈不治の病〉
【鬼畜 官能小説】

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〈不治の病・其の三〉-7

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次の日の朝。

今日は金曜日。

明日から二日間、絵莉は純一と二人きりで過ごせる。いや、それよりもっと楽しい事があった。

今日は純一の誕生日。

絵莉は今夜は盛大に祝ってあげようと心に決めていた。


「今日も気をつけて行って来てね」

『うん、行って来ます』


朝の口づけを交わし、純一を見送る。
絵莉はあえて誕生日の事を言わなかった。
素知らぬふりをしておいて、帰ってきた時に驚かせてやろうと思っていたのだ。


「さて、お掃除してお買い物して…と」


鼻歌を歌いながら朝食の後片付けをして、パジャマのままで部屋中に掃除機をかけた。
掃除が無駄なくらいに綺麗な部屋であっても、少しも苦ではなかった。
鼻歌はリズムを刻み、動作も活発になっていく……と、絵莉は、ふと鏡に映る自分の姿に目を止めた。


(そうだ、今夜の服を選んでおこう)


せっかくの誕生日に、まだ服を決めかねていた事を思い出し、絵莉はクローゼットを開けて中を覗いた。




色とりどりの服の中から絵莉が手にしたのは、社会人になって初めて純一と一緒に選んだ服だった。
白地に黒の小さな水玉模様の長袖のブラウスと、サスペンダー付きのココア色のタックキュロット。
それに焦げ茶色のニーソックスだった。

少し若向きな服のような気がしたが、絵莉の顔立ちも充分に幼い。


「…………」


試着をしようとパジャマを脱いだ時、どうせなら下着も試着しようと、ふと思った。
いつか着けようと思ったままで着ていなかった下着を、絵莉はタンスの奥から取り出し、まじまじと見た。

白地にピンク色のステッチが入り、布地の繋ぎ目にはレースのフリルが飾られていた。
その装飾過多の下着は、やはり着るのが恥ずかしく、なかなか思い切る事が出来なかった物だ。
しかし、毎夜の営みに興奮の覚めやらぬ絵莉は、遂に着てみる事を思い立った。
随分と前に買った下着だったので、ブラジャーのカップが少し窮屈ではあったが、それでも問題無く着る事は出来た。

ブラウスとタックキュロットを身につけ、鏡の前に立つ……あの日の自分に会えたような、軽い驚きと喜びが溢れてきた……と、玄関のチャイムが鳴った……誰かが来たようだ。



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