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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第18話 息子の肌-1

慶は、天井を見ながら考え込んでいた。
睦美との出会いから、前日の肌を交わしていた時までを振り返っていたのだ。
思えば、睦美と会おうと決心したのは、母親代わりの母性を期待してだった。
そして実際に会って惹かれて行き、それが母性を期待してか、一人の女性としてか、あるいは、ただ身体を求めてるだけなのか分からなくなっていた。
前日は、睦美に対して、一人の女性として好意を持ってると告げたが、実際は灰色のままだった。
その原因は、肌を交わした後に訪れた喪失感と一緒に襲った罪悪感だった。
決してそれが、30も上の、睦美と肌を交わした後悔から来るものでは無かった。
実際に、今でも恋焦がれる気持ちもあり、すぐにでも会いたかった。
しかし、その気持ちを抑えようとする罪悪感で、メールすら送れないでいた。
今は、その根源が何なのか、慶は気になりだしていた。
今思えば、その罪悪感は、睦美を想いながら過ちを繰り返していた頃からあった。
それは終わった後に訪れる、強烈な物だった。
もちろん慶も男だから、それ以前にも、生理的に行為を繰り返してきたが、睦美を想いながらと違い、終わった後は、行為に対しての罪悪感だけだった。
しかし、睦美を想いながらは、それとは明らかに違っていた。
そして、その根源を探るべく睦美と肌を交わしたのだが、答えは同じ強烈な罪悪感だった。
ここで慶は目を閉じ、初めて睦美を想いながら過ちを犯した後の、罪悪感を思い出していた。
しばらく考えていると、ある事に辿り着いた。

『・・・・・慶・・・会いたかった・・・・・』

その瞬間、慶は目を見開き飛び起きた。
そして本棚に向かい、子供の頃からのアルバムを取り、慌てるようにページを開いた。
そう、慶がたどり着いた答えは、そのアルバムにあった・・・・・。

同日の夕方、自宅のキッチンで、睦美は野菜などの食材を包丁で切っていた。
帰省してくる翔太の為に、夕食の鍋の準備をしていた。
相変わらず、慶からメールは届いてないが、こうして家庭を顧みると、慶の事を考えずに済むので気が紛れていた。

ピンポ〜ン・・・・・

「は〜い・・・・・。」

チャイムが鳴り、時間帯からして翔太なのは間違いなく、睦美はゆっくりとした足取りで玄関に向かった。
そして、玄関の鍵を開けると翔太を招き入れた。

「ただいま〜・・・・・。あれ?・・・母さんどうしたの?・・・・・。」

翔太は玄関に入るなり、睦美の髪型に対して問いただした。
服装に関しては、ベージュのタートルネックのセーターに、グレーの膝丈までのスカートと、普段通りの家での地味な装いだったが、髪型だけは慶に合わせた時のままだった。

「どう?・・・似合ってる?・・・・・。」

「うん・・・似合ってるよ・・・何か、凄く若返った感じ・・・・・。本当に悪くないよ・・・・・。」

「本当に?・・・だったら今夜は母さんとデートする?・・・・・。どっか翔太の行きつけの店に連れてってよ・・・・・。」

「いや・・・ちょっとそれだけは、勘弁して欲しいかな・・・・・。」

「本当・・・可愛くない子ね・・・・。」

翔太は、特に目立った反抗期も無く育った為、親との日常会話に対しても素直だった。


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