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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第13話 慶の決意-2

睦美はそう言うと、肩に掛けたショルダーバッグをベッドの脇のテーブルに置き、サングラスを外して、頭に被っている黒のキャスケットの帽子を脱いだ。
慶は、露わになった睦美の顔を見て、改めてあの日の顔立ちを思い出した。
しかし、それよりも髪型もメイクも変わり、さらに若々しく見えた。
特に、ショートボブの髪型は小顔の睦美に良く似合い、慶から見ても年齢を感じさせずキュートだった。
慶の顔は、同年代の異性を意識したかのように、またたく間に紅潮した。

「どうしようかな・・・ここで良いかしら?・・・・・。」

睦美は、描く時に不具合にならない様に、外の光を背に受けない室内の内側のベッドに腰を掛けた。
そして、脚を組むと、黒のニーハイブーツのジッパーに手を掛け、ゆっくりと下ろした。
そこから露わとなる、ダイヤ柄の黒いパンティーストッキングに包まれたふくらはぎが悩ましく、男女間に無知な慶に取っては、まるで思春期の少年を誘う映画のようにスローモーションに映った。
さらに、もう片方のブーツも脱いで、ベッドの上に足を少し横に崩して座ると、上に重ねた、黒のウールボアショートコートに手を掛けて、それもゆっくりと脱いだ。
先ほどからの、ゆっくりと脱ぐ動作は、まるで男でも誘うような雰囲気にも似ていた。

「せっかくだから・・・私の好きなようにポーズを決めて良いかしら?・・・・・。」

「あっ・・・それは別に構いませんよ・・・・・。」

「そう・・・良かった・・・・・。私も・・・もう若くないから今の内にでも・・・少し色っぽく描いてもらいたいんだけど・・・ちょっと・・・慶君ごめんね・・・・・。」

睦美は、いきなり白のサテンフリルブラウスのボタンに手を掛け、胸元を少し開けた。
さらには、慶が動揺する暇もなく襟にも手を掛けると、ブラジャーの肩紐ごと下ろして、左肩を露出させた。
そして、そのまま両足を右横に崩して左手をベッドに付くと、まるでヌードモデルのようなポーズを取った。

「醜いけど我慢してね・・・・・。」

睦美の言葉とは裏腹に、その姿は妖艶で美しかった。
醜いとは、自分の年齢で肌を晒す事に対してだが、逆に歳を重ねただけの艶があり、慶には刺激が強すぎた。
しばらくは、リュック片手に部屋の隅で呆然と立ちつくした。
すると睦美は、右手を露出した左肩に掛け、顔もそこに埋めると、虚ろな表情をして視線を下に向けた。
今にもベッドに誘われそうな雰囲気で、部屋の中は異様な緊張感に包まれた。

そして・・・・・睦美は誘った。


「ねえ・・・どうしたの?・・・・・。」

・・・・・早く来て・・・・・


慶は、この言葉を聞いて、そのまま睦美の待つベッドに向かった。
その表情は、何かを決意したかのように、ただ一点を見つめていた・・・・・。


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