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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第13話 慶の決意-1

「うあ〜・・・思ったより良い部屋だわ・・・・・。」

二人は、チェックインを済ますと部屋に入った。
部屋はネットで見たのと同じ、ブラウンを基調としたモノトーン調の色使いの部屋で、同じ色合いのシングルベッドが二台置いてあった。
他には、小型液晶テレビに冷蔵庫など、ビジネスホテル特有のシンプルな設備だった。
ただ、海沿いの高台に建てられたホテルの為、部屋の窓から覗く広大な海の景色は、リゾートホテルを思わせるほどの景観だった。
さらに、五階の見晴らしの良い部屋を選んだ為に尚更だった。

「ねえ!・・・見て!見て!・・・ほら・・・海が凄い綺麗でしょう・・・ネットで見たら感激しちゃって、すぐに予約しちゃったのよ・・・・・。」
「わ〜・・・本当綺麗〜・・・こんなの見るの久々だわ・・・・・。慶君も彼女が出来たら・・・こういう場所に連れてくれば良いのよ・・・きっと喜ぶわよ・・・・・。」

睦美は窓のカーテンを開けると、海が一望できる景色に感激して、一人ではしゃいでいた。
あいにく、秋も半ばに差し掛かり海は荒れ模様の曇り空で、それほど景観な眺めではないのだが、睦美の住む場所は海から遠い為に、久々の景色に感激はひとしおだった。
それとは対照的に、慶の表情は今一つ冴えなかった。
睦美に、男女間の対象とされてない言葉を、再び交わされたからだった。
一度は開き直ったが、二人だけになった部屋で言われると尚更だった。

「睦美さん・・・そろそろ描かせてもらえませんか?・・・・・。」

「もう?・・・もう描くの?・・・まだ着いたばかりなのに?・・・・・。」

「はい・・・気持ちが落ち着いてるうちに描きたいんです・・・・・。」

慶としては、余計な雑念で、気持ちの高ぶりが冷めない内に描きたいのだが、睦美は、もう少し落ち着いてからの方が都合良かった。
それは、部屋に着いたばかりという事ではなく、これからの為の心の準備が必要だったからだ。
自分に導く為の心の準備・・・・・・。
そう、睦美が思わせぶりな態度から一変、突き放した感じになるには訳があった。
それは、自分から誘うような事はせず、あくまでも最後は、純粋に慶からアプローチしてもらいたいのだ。
結局、睦美に取っては、モーテル通りからの思わせぶりな態度は、ただの遊戯であり、慶を弄んだに過ぎなかった。
だから、一度突き放してから、慶の気持ちを白紙に戻して、仕切り直す必要があった。

これから迎える、偽りのデッサンの為にも・・・・・。

「分かったわ・・・・・。せっかくだから、良い物を描いてもらいたいし・・・それなら慶君に任せるわ・・・・・。」
「それじゃ・・・少し待ってもらえる?・・・・・。」


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