投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

共犯ゲームU
【SF 官能小説】

共犯ゲームUの最初へ 共犯ゲームU 5 共犯ゲームU 7 共犯ゲームUの最後へ

蜂蜜-1

 僕はその日、弟にかけたブレンドタイプの実験体ε(イプシロン)を自分にもかけてコンビニに行った。すると同じくバイトをしている女子高校生の葛城さんがなにかそわそわして言い出した。最近葛城さんは僕のことを下の名前で呼ぶようになった。
「カオルさん、最近コンビニの万引きが流行っていると聞きましたけれど、この店にも死角というのがあるのでしょうか?」
 僕はレジからは死角はないはずだと言った。ところどころにミラーがあるからだ。すると葛城さんは店の外からはどうでしょうかと聞いて来た。何故店の外からなのか僕は聞かなかった。彼女のゲームが始まったと思ったからだ。
 ちょうどお客が切れていたので、僕は葛城さんに言われたように店内の色々な場所に立って、店の外からどう見えるのかの検分に協力した。すると葛城さんは奥のお菓子の売り場の前が見えないと言った。そこは奥の事務室から店長が顔を出したときも死角になる所だった。
 すると今度は葛城さんは自分のお金で店の蜂蜜を買った。歯磨きチューブくらいの入れ物に入った蜂蜜だ。そして僕に言った。
「カオルさん、私レジに立つと最近甘いものが無性に舐めたくなるんです。でも、そのときお客さんが来たら、口の中に甘いものを入れたまま挨拶できないし、困っているんです。店長に見られても勤務態度が悪いと思われるだろうし……」
 僕は頷きながら聞いて、次の言葉を待った。
「だから……私の代わりにカオルさん、口の中に蜂蜜を入れていてくれませんか?そして、隙を見て私が舐めに行きますから」
 僕は、滅茶苦茶な言い分だなと思った。こっそり舐めたかったらそれこそ自分が死角に行って舐めていれば良いことなのだ。何故僕の口の中に入れるのかと思ったが、これはゲームに違いないと確信したので、黙って頷いた。
 葛城さんはチューブを絞って僕の口の中に蜂蜜をたっぷり入れると、お菓子の棚の前に連れて来た。葛城さんは突っ立っている僕に右膝を立てて膝立ちさせると、僕の右の太腿の上にスカートをたくし上げて跨った。彼女の股間は僕の膝の上にぴったりと吸いついた。そして、高い位置から僕の顔に覆い被さるように顔をつけてきた。葛城さんは大胆に僕の唇に唇を重ねると、舌を入れて蜂蜜を舐め始めた。僕は蜂蜜が彼女の舌に絡まるように、自分も舌を動かして協力した。そのとき、店の入り口のドアが開いた。彼女は素早く立ち上がって明るい声で言った。
「いらっしゃいませ。こんにちは!」
 僕は残りの蜂蜜を少しずつ飲み込んでいた。何故ならそのままでいるとどんどん唾液が溜まってくるからだ。
 また店内にお客がいなくなると葛城さんは僕をお菓子の棚の前に連れて行き、同じ姿勢で蜂蜜を舐めた。糖分の取りすぎだと思うし、ただディープキスをさせてくれと言えば良さそうなものだが、それでは建前の部分がないので逃げ道がなくなる。このゲームには逃げ道や言い訳が必要なのだ。彼女は喉を鳴らしながら蜂蜜を舐めているけれど、頭を盛んに振って、その振動を股間に伝えていた。葛城さんの場合は口腔内と同じくらい股間の反応も大きかった。葛城さんはとうとう逝ってしまたらしくぐったりしたが、そのとき奥から店長が出て来た。すると葛城さんは声を出した。
「チョコパンが3個。アンパンが切れてますね。メロンパンが1個ですね。おかしいな、いつもチョコパンが良く出るのに……じゃあ私レジに戻ってますね」
 つまり在庫を調べていたという演技を咄嗟にしたのだ。僕は右膝の辺りのエプロンの染みを、そっとハンカチで拭いた。


共犯ゲームUの最初へ 共犯ゲームU 5 共犯ゲームU 7 共犯ゲームUの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前